影響力が拡大しているVTuber
本セッションでは、アサヒ飲料でコンビニエンスストアとの取組強化に向けた営業バックアップ業務を担当する高橋賢氏、同社でブランド全体の販促企画に携わる玉置明日美氏、そしてマクロミルでデータベースサービスの企画開発を担当している三島大輝氏が登壇した。
「バーチャルYouTuber(VTuber)」とは、2Dまたは3Dのアバターで配信活動を行うYouTuberを指す。2016年に登場して以来、企業やバーチャルイベントの広告塔になったり専門のプロダクションが誕生したりと、ビジネスの規模が拡大している存在だ。
2022年のYouTubeスーパーチャット(投げ銭)ランキングでは、Top10の8割がVTuberで占められている(出典:Playboard「Most Super Chatted Channels in Japan」)ことからも、影響力が見て取れる。
「推し活消費」との親和性の高さに注目
このように大きなパワーを持つVTuberとのタイアップ施策を考える企業やマーケターも増えている。施策を考える際は「どのような層にアプローチできるのか」「どのような訴求が有効的なのか」などを把握する必要がある。そのためには、まずVTuberファンの特徴を理解することが大切だ。
マクロミルの三島氏は、同社のYouTubeチャンネルの登録ファンを分析・可視化するサービス「FanDataBase」を用いて調査した、VTuberファンの特徴を紹介した。なお今回は「VTuberファン=登録チャンネルの中にVTuberチャンネルがある人」と定義している。
「VTuberファンの属性は、動画・SNS・ゲームを長時間利用している10~20代の学生が多い、という傾向があります。より詳しく見ていくと、YouTubeのヘビーユーザーで『YouTube Premium』加入率も高い他、LINEよりもX(旧Twitter)の利用時間が長いといった特徴があります。また熱中しやすく、自分で情報収集した上で気に入ったものを買う、購買意欲の高い層でもあります」(三島氏)
これらの特徴から、VTuberファンは「推し消費」と非常に親和性の高い価値観を持っていることがわかる。さらに、ファンはX(旧Twitter)を情報取集と口コミなどの発信の両方に使っているため、Xを活用した施策が有効だといえる。また若者、特に学生は可処分所得が高くないため、趣味・興味以外にお金を使うことが難しく、コラボなど趣味が広がる形での商品訴求が効果的であることも三島氏は強調した。