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MarkeZine Day 2023 Autumn

「推し消費」をする若年層のインサイトとは?「ドデカミン」のVTuberコラボ施策からひも解く

なぜ「ドデカミン」はVTuberコラボを行ったのか

 VTuberおよびファンの特徴をしっかり捉えたコラボ施策を実施し、成果につなげているのがアサヒ飲料のエナジー炭酸飲料「ドデカミン」だ。ドデカミンは2023年の販売戦略の方向性として、ドデカミンの持つキャラクター性を軸にしつつ、若年層を取り込んでのブランド価値向上と新規間口の獲得を狙っていた。

 また近年はデザインラベル手法が頻発し、顧客がブランドに定着しづらい傾向にあったため、プロモーションの見直しを実施することに。そこで目を向けたのがターゲットである若年層に話題のVTuberグループ「ホロライブ」だったという。

 実際、ホロライブファンは男性が9割以上であり、動画視聴者の年齢構成比は男性の18歳~24歳が最も多い。ドデカミンがこれから取り込んでいきたい層と重なるなど、親和性の高さが伺えた。

 「現状のドデカミンファンの方々に加え、コラボ施策によってプラスオンでファンを増やしていきたいと考えていました。また、競合各社も展開する旬のアニメーションなどのデザインラベル路線から脱することで、独自性を発揮したいとも思っていました」(高橋氏)

アサヒ飲料株式会社 マーケティング本部 広域流通部 販売管理MDグループ 高橋賢氏
アサヒ飲料株式会社 マーケティング本部 広域流通部 販売管理MDグループ 高橋賢氏(2023年8月末時点)

 「特に注力していたチャネルがコンビニです。今回のコラボ施策を実施することで、現在のメイン客層である30~40代だけでなく若年層に購入いただくことができれば、コンビニエンスストアの課題解決にもつながるのではないか、と考えました」(玉置氏)

アサヒ飲料株式会社 マーケティング本部 プロモーション戦略部 販促企画グループ 玉置明日美氏
アサヒ飲料株式会社 マーケティング本部 プロモーション戦略部 販促企画グループ 玉置明日美氏
(2023年8月末時点)

予想以上のスピードで販売目標を達成!その要因とは

 具体的には、対象期間中にドデカミンの販売本数が400万本を達成するとホロライブのオリジナル楽曲がリリースされる「達成型キャンペーン」や、公式Xアカウントをフォローし指定の投稿をリポストすると抽選で景品が当たる「フォロー&RTキャンペーン」、対象商品を購入し応募するともれなく景品がもらえる「マストバイキャンペーン」を実施。

 ホロライブファンが全種類集めたくなるようなデザインのT型シールを商品に付与したほか、VTuberファンの利用率が高いSNSを用いて告知していったという。

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 キャンペーンを開始したところ「応援せねば!」「箱買いした!」など購入したファンの投稿がSNS上にあふれる大反響に。販売本数も、想像をはるかに上回るスピードで目標を達成したという。

 より詳しく見ていくと、今回のコラボキャンペーンにより、新たなターゲットとして狙っていた若年男性による購入が拡大。ブランドロイヤルティが向上している状況だった。今回の施策の成功要因としてアサヒ飲料の玉置氏が挙げたのは、「話題化」と「企画設計」の2つだ。

 「話題化に関しては、アサヒ飲料やホロライブの公式アカウントのほか、ファン層に合わせてXを活用。加えてキャンペーンで拡散を後押しした結果、多くのユーザーに届けることができました。売り上げにつなげられたのは、『全種類集めたい』とファンのコンプリート欲をかきたてるデザインシールや景品を用意したことが大きいと思います。ハズレでももらえる待ち受け画像を用意し、ファンを飽きさせなかった企画設計も成功要因の一つに挙げられるのでは、と考えております」(玉置氏)

 三島氏も、「初めに紹介したように、VTuberファンの方々の特徴の一つに『熱中しやすい』ことが挙げられます。今回の施策はファンの方々の熱量を上げられたからこそ、成功につながったと思います」と考察した。

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「推し消費」をする消費者のインサイトとは?

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この記事の著者

和泉 ゆかり(イズミ ユカリ)

 IT企業にてWebマーケティング・人事業務に従事した後、独立。現在はビジネスパーソン向けの媒体で、ライティング・編集を手がける。得意領域は、テクノロジーや広告、働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/12/20 08:00 https://markezine.jp/article/detail/43613

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