10月5日、サントリーは、「ビールカンパニー イノベーション部の新規取り組み」に対する説明会を開催した。
まず、同社でビールカンパニーのマーケティング本部長を務める多田 寅氏が、今回の発表の全体概要や市場を取り巻く状況について説明した。
2021年4月に創設したイノベーション部は、これまで第一弾として炭酸水でつくる自由なビールがコンセプトの「ビアボール」、第二弾では時間をかけてビールを飲むという消費者の変化に着目し「サントリー生ビール」を発売してきた。
第三弾にあたる今回は、飲食店向け新サービスの提案として、缶専用業務用サーバー「nomiigo」を発表した。
新サービス開発の背景として多田氏は、コロナ前後における消費者の外食意識の変化を挙げた。
「コロナ前後で外食頻度を比較すると、45%が大体元に戻ったと回答しました。さらに、コロナの前よりも外食の頻度が増えたという回答が、減ったという回答よりも13pt高いこともわかりました。加えて、外食目的でどこに行き、そこでの飲酒意向を聞いたところ、ファストフードやカフェやファミレスといろいろな場所での飲酒意向が見られました」(多田氏)
また、ビールのマーケットには、新しい顧客が増えにくいといった課題があったと多田氏は語った。そこで、新しいロケーションや飲み方、スタイル、場所を提案することで、消費者に新しい価値を提案することを目指した結果、同社は、飲食店向けに缶専用業務用サーバーの開発に至った。
次に、同社のビールカンパニー マーケティング本部 イノベーション部に所属する伊藤 優樹氏が登壇し、プロダクトの説明を行った。
伊藤氏によると、同製品は、缶による使い切りのビールサーバーであるため、従来の樽タイプだとなかなか使い切れないような中小規模の店舗にとっては、品質が高い状態でビールの提供が可能になるという。
同社は10月5日より、首都圏を中心にテストマーケティングを展開。その結果に応じて、導入を行う市場を選定していく。今後、同社は2023年度中に100台のテスト展開を実施予定。その結果に応じて、5年間を目途に10,000台の展開を目指す。
【関連記事】
・コロナ禍で旅行の代わりに若者が増やした支出項目は「食費」「動画配信サービス」/J.D.パワー調査
・コロナ禍前と比べ、約7割が外食にお金を使わない/若者はオンライン会食を好む傾向に【電通調査】
・家計簿データで外食チェーンの動向を可視化して分析する「Zaimトレンド for レストラン」リリース
・飲食店のSNSアカウント運用を来店に繋げるポイントは?【toridori調査】
・ニールセン、飲食店予約サービスの利用状況を発表 18~34歳のGRPが昨年比4倍強に