おすすめの評価指標は「アシスト効果」
──前半で塚本さんから「CTV広告の効果測定方法を広める必要がある」との指摘がありましたが、おすすめの評価指標はありますか?
佐々(Adjust):「アシスト効果」です。たとえばラストタッチアトリビューションはFacebook広告でも、その前にCTV広告を見ているケースは往々にしてあります。Adjustのソリューションならアシスト効果も可視化できるため、ぜひ有効に活用いただきたいです。
佐々(Adjust):また、インストール数だけでなくユーザー継続率やLTVなどにも目を向けると良いでしょう。Adjustのソリューション上ではオンライン/オフラインを問わず、様々な広告のデータをまとめて比較し、流入元ごとに効果の良し悪しを判断できます。その際も、アシスト効果を見ることで深い洞察が得られるはずです。
──CTV広告の価値が理解できたところで、具体的な出稿方法を教えてください。
野村(フジテレビ):皆様が普段からお付き合いのある代理店さんに「フジテレビのAVOD(広告付き動画配信サービス)に出稿したい」と言っていただければOKです。当社の担当者がご意向をおうかがいし、皆様のニーズに合わせたプランニングをします。
広告の価値を高めるためにも、プランニングの精度を高めるためにも、我々媒体側には数多くのデータが必要だと考えています。大江戸今昔めぐりのようなアプリだけでなく、ゲームアプリやマッチングアプリなど、様々なジャンルのデータを集めたいと考えているため、ぜひお声がけください。
佐々(Adjust):CTV広告を出稿するからには、その効果を正しく計測するプロセスが大切です。Adjustのアカウントがあれば、アシスト効果までわかるトラッカーを発行することができます。トラッカーを代理店さんに渡していただくだけで設定は完了します。設定後はキャンペーン別やクリエイティブレベル別に結果を見ることが可能です。
若者のテレビ離れ≠テレビ放送離れ
──では最後に、それぞれのお立場からCTV広告の展望をお聞かせください。
塚本(ワイズ・メディア):CTV広告のマーケット全体が大きくならなければ、新しいチャレンジは生まれません。FASTをはじめとするCTVメディアが盛んになることを期待します。
塚本(ワイズ・メディア):テレビ離れは必ずしも「テレビ視聴離れ」ではありません。実際、若年層におけるCTVの視聴時間が長いこともわかっています。CTVでおもしろいコンテンツや引きのあるクリエイティブをつくるにあたり、テレビ局の人間が果たす役割も大きいはずです。テレビ局のOBとして、引き続き市場の動向を追っていきたいと思います
野村(フジテレビ):今回の実証実験で「CTVはスマートデバイスよりも広告効果が高い」と証明することができました。テレビ局の人間がするポジショントークかもしれませんが、大画面で見せることのできるテレビ広告の価値が、CTVによって今後見直されていくのではないでしょうか。
野村(フジテレビ):メーカーのテレビリモコンにFODのボタンが採用されるなど、OTTサービスの対応端末も増えています。CTVでの視聴体験も向上するはずですから、CTV広告市場をさらに伸ばしていきたいです。
佐々(Adjust):数値を見ても、今後日本のCTV広告市場が伸びていくことは間違いないと思います。「新しい出し先より、安心できる既存媒体を」と考える広告主は多いかもしれませんが、CTV広告の活用にぜひチャレンジしていただきたいです。今回野村さんが紹介してくださったように、多くの広告主が事例を共有してくだされば、議論が深まり出稿のハードルも下がるのではないでしょうか。