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FODの実証実験に学ぶCTV広告の活用Tips アプリインストールに対する効果はスマホよりも高かった

 日本でも徐々に拡大しつつあるCTV(コネクテッドテレビ)広告市場。CTVが持つ媒体としてのポテンシャルが認知されてきたものの、具体的なケーススタディはまだ少ない。今回は、放送業界に長年身を置くワイズ・メディアの塚本氏とフジテレビジョンの野村氏、そしてCTV広告の計測ソリューションを提供するAdjustの佐々氏へインタビュー。CTV広告の価値や効果的なクリエイティブの例、効果計測の方法をうかがった。

米国のCTV広告リーダー企業はRoku

──米国を中心にCTV広告市場は大きな盛り上がりを見せています。

塚本(ワイズ・メディア):米国では動画配信サービスの価値が早くから認識されていました。元々ケーブルテレビや衛星放送に高い受信料を支払っていた人からすると、「Netflix」や「Amazon Prime Video」「Disney+」などは、コンテンツの充実度や視聴体験、コストの観点で非常に魅力的だったからです。

ワイズ・メディア 取締役 メディアストラテジスト 塚本幹夫氏
ワイズ・メディア 取締役 メディアストラテジスト 塚本幹夫氏
元フジテレビIT戦略担当局長/元筑波大学客員教授。2016年に株式会社ワイズ・メディアを設立。メディアストラテジストとして、主に放送通信融合分野で執筆・講演・アドバイザー業務を担う

塚本(ワイズ・メディア):そんな中、数多あるチャンネルは無料広告型かつリニア放送型の配信プラットフォーム「FAST(Free Ad-supported Streaming TV)」に参画し始めました。日本で言う「ABEMA」のようなものです。FASTの主要プレイヤーとして知られる「Roku Channel(ロク チャンネル)」では、350以上のチャンネルが番組を配信しています。Rokuはアドネットワークも展開しており、同社の売上の約8割をCTV広告が占めているような状況です。

──CTV広告の強みや可能性をどのように捉えていらっしゃいますか?

塚本(ワイズ・メディア):インターネットと放送の“いいとこどり”をしたものがCTV広告だと思います。まず注目しているのが完視聴率の高さです。TVerのデータを見ると、CTV広告の完視聴率はモバイル広告やWeb広告よりも高いことがわかります。このことは視聴者の認知や購入に大きな影響を与えるはずです。また、計測やターゲティングが可能な点も強みだと思います。

佐々(Adjust):プライバシー保護のための環境変化により、確定的なデータが取りづらくなる中、CTVはモバイルアプリマーケターの方々からも新しいメディアとして注目されています。

Adjust ゼネラルマネージャー 佐々直紀氏
Adjust ゼネラルマネージャー 佐々直紀氏
三井物産のオンラインショッピングモールプロジェクトでデジタル業界に参入。ヤフーへ転籍したのち、外資系スタートアップでサーチやリターゲティング、DMPなどに携わる。モバイル計測ツールを提供するTUNEを経て、2016年11月にAdjustへ入社。2020年より現職

佐々(Adjust):CTV広告なら、テレビ画面という大きなスクリーンで動画や音声を流すことができます。複数人で一緒に広告を見る「共視聴」も可能です。視聴者に強いインパクトを残せますし、手元にスマホを置いて視聴する人が多いため、広告を見た後の行動を促しやすく、モバイルアプリとの親和性も高いと考えます。

CTVの価値をメディアが把握できていない

──米国でCTV広告が盛り上がりを見せる一方、日本はその後を追いかけている状況です。日本においてCTV広告の活用を促進するにあたり、どのような課題があると思いますか?

塚本(ワイズ・メディア):メディアサイドの課題としては、プレイヤーの圧倒的な少なさが挙げられます。米国ではプレイヤーもチャンネルも多いため、広告の在庫が豊富なのです。つまり、クライアントのニーズに合わせて広告を配信することができます。まずはプレイヤーの数を増やし、マーケットを広げる必要があるでしょう。

野村(フジテレビ):日本は米国よりもモバイルの電波がつながりやすいため、スマホでOTTサービス(インターネットを介して視聴者に直接提供されるメディアサービス)を利用する方が非常に多いのです。プレイヤーの数に加えて、CTVを視聴する人も当然増やさなければなりません。

フジテレビジョン ビジネス推進局 コンテンツセンター プラットフォーム事業部長 野村和生氏
フジテレビジョン ビジネス推進局 コンテンツビジネスセンター プラットフォーム事業部長 野村和生氏
動画配信事業「FOD」の責任者として、ライセンス販売主体のモデルから自社PF事業の強化に事業方針を転換。AVOD/SVOD事業の立ち上げを陣頭指揮した。連続ドラマ「ラブホの上野さん」やオリジナルバラエティ「めちゃ×2ユルんでるッ!」のプロデュースも担当

野村(フジテレビ):CTVの価値をメディア側が十分に把握していないことも関係しているでしょう。他の媒体ではなくCTVに広告を出稿することにメリットがあると証明できなければ、活用は難しいものです。

塚本(ワイズ・メディア):価値と言えば、日本に限らず米国でもCTV広告の投資対効果を測定する方法に悩む企業は多いようです。やはり指名検索やSNS広告のほうがROIの達成率をわかりやすく測ることができますから。クロスデバイスでの効果測定など、価値を測る方法を広めることもCTV広告の活用を促すための必須条件だと思います。

【2023年版】CTVガイド:アプリマーケターのためのインサイト

コネクテッドテレビ(CTV)をマーケティングで活用する企業向けに、キャンペーンを成功させるための方法やトレンド、業界エキスパートからのアドバイスを紹介しています。AdjustのWebサイトよりレポートをダウンロードしてご確認ください。

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どの素材でもCV数がスマートデバイスに勝るCTV

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この記事の著者

和泉 ゆかり(イズミ ユカリ)

 IT企業にてWebマーケティング・人事業務に従事した後、独立。現在はビジネスパーソン向けの媒体で、ライティング・編集を手がける。得意領域は、テクノロジーや広告、働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:adjust株式会社

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2023/11/14 10:30 https://markezine.jp/article/detail/43851

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