チュートリアルの設計で意識すること
チュートリアルと言ってもアプリ自体のサービスやユーザーのニーズ、ユースケースによってさまざまなパターンがあり、目的や提供するコンテンツによって使い分ける必要があることがお分かりいただけたのではないでしょうか。ただし、どのジャンルにおいても、冗長で複雑なチュートリアルは好まれないのは明らかです。
専門性の高い多機能なサービスの場合、詳しい説明が必要なケースが多いと思います。しかし、ユーザーのペルソナを把握し、どの情報を受け取りたいと思うのか、このサービスを今後も使いたいと感じる状態やテンションにするためにはどうしたら良いかなどを考えることが大切です。
機能的で秀逸なサービスやコンテンツが組み込まれていても、ユーザーがストレスを感じ、操作方法を習得できずに途中で使わなくなってしまっては意味がありません。もちろんサービスの中核となるのは、チュートリアルではなくサービスそのものですが、始めて間もないユーザーが離脱してしまわないよう、アプリに愛着を持って活用してもらえるよう、導入からUX向上を意識しましょう。
まとめ
初回の体験だけではなく多くの場面で、初心者脱却を目指すユーザーをサポートしたり育成したりするよう心がけることが、長い目で見た時のユーザー体験の向上につながると考えています。ユーザーの心理を理解し、クライアントがどのようなガイダンスを必要としているかなど、細かな点に気を配りましょう。
1.登録プロセスを簡素化する
GoogleやSNSのアカウントで登録することでプロセスを簡素化できます。
2.チュートリアルでフォーカスしたい機能や情報の精査
ユーザーが求める要素や説明したい情報にフォーカスし、直感的に説明できることが理想です。ハードルを下げることができれば、魅力を伝えたり、アプリの継続利用に繋がる可能性が高まります。
3.簡潔な要素の抽出と伝達
長い説明文や冗長な表現は避けましょう。チュートリアルはあくまでもユーザーに使いかたを理解してもらうことが目的です。伝えたい要素をどの方式でどのくらいの粒度で伝えるのか、見定める必要があります。
4.プッシュ通知やメッセージ機能の活用
ユーザーのおもな関心や興味を特定し、サービスや商品のお知らせをアプリ内メッセージとして伝えたり、新たな機能や操作方法、関連性の高いキャンペーンなどをプッシュ通知として提供したりすることができます。
5.アプリリリース後もチュートリアルは適宜見直す
チュートリアルに絶対的な正解はないため、サービスやターゲットとするユーザーによって柔軟に対応することが求められます。そもそもチュートリアルが不要、または1枚で済んでしまうサービスもありますので、見直しも必要かもしれません。
モバイルアプリの機能をワクワクさせるように見せる――。ユーザーは、自分のニーズや問題を解決できることを知ることで、興奮するはずです。状況に合わせチュートリアルのステップを分割したり、ステップをクリアするごとにアプリユーザーがスムーズに活用し、興奮が高まるように意識したりしながら設計していきます。また、ニーズやデザイン、テクノロジーの進化など数年でトレンドが変わっていくなか、オンボーディングUXの設計には、継続的なUXリサーチとその結果の分析、そして改善が重要です。
この記事がUIUXデザインを考えるひとつのヒントとなれば幸いです。それではまた次回の記事でお会いしましょう。
以上、新谷でした。ありがとうございました!!