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ブランディング先進企業に学ぶ、マーケティング戦略としてのブランディング

普通の人もできるのがマーケティング。Uber Eats Japan代表が語る「戦略的思考」の育て方

「戦略的思考」を育てる時、今いる会社やポジションは関係ない。

木村:今は、Webマーケターとしてキャリアをスタートさせている方も多く、そういう方々から「自分も戦略構築の部分に携わりたい」といった類の相談をよく受けるのですが、戦略的思考を持てるようになるきっかけって、どう作ればよいと思いますか? 言ってしまえば「転職」も選択肢に入るのかもしれませんが、そこに踏み切れない方もたくさんいると思うんです。

中川:僕も同じような相談や質問を過去に受けたことがあるのですが、「なんで今やっていないんでしょう?」とお答えしました。意地悪を言うつもりはまったくないんですよ?

木村:戦略的思考とは、どんな業種でも持てる一種の心得みたいなイメージですよね。

中川:先ほどのWHO/WHATとかSTP分析の話にも近いですが、結局はやるかやらないかの話になってしまうと思います。売上を伸ばすとか満足度を上げるとかではなく、その施策の目的を本当に突き詰めて考えられているか? その目的に対して、どういう資源で戦っていくのか考えているか? たとえば、去年の予算が1億円だったから今年は少し増やして1億2,000万円に、なんて考えていないか? という具合に愚直にどこまで考え抜けているかという話になるのではないでしょうか。

 変な話、僕は週末に家の掃除をする時もすごく戦略的にやりますよ(笑)。

木村:ユニリーバ時代も、常に机の上が綺麗でした(笑)。

中川:いや、掃除の例はどんなことも戦略的にやれることのたとえですが(笑)、たたきで埃を落としてから床を掃くみたいな掃除の仕方も戦略的ですよね。プロとしてお金をもらって行う業務で戦略的に取り組めないものは、存在しないと思います。

「インサイトを捉える力」はどう養う?

木村:もう1つ聞かせてください。マーケターにおいては「インサイトを見つける」ことが求められますが、ここも才能や経験が問われる領域と思われている方が多い印象です。よく「何かメソッドがあるのですか?」と聞かれるのですが、中川さんはインサイト分析で意識されていることはありますか?

中川:消費者が無意識にやっていることを含めて、N1に対する「なぜ」を突き詰めて考えるようにしています。

 少し話が脱線しますが、実は、僕がP&Gで最初に担当したのは、「Max Factor(マックスファクター)」というメイクアップブランドだったんですよ。しかもファンデーションの担当で……22歳のまだ眉も剃ったことがない男子がファンデーションのマーケティングをするなんて、これ以上消費者インサイトがわからないこともないですよね(笑)。

 ですが、これがある意味よい訓練になりまして、定量データやインタビューなどの定性データをベースに判断するという癖がついたわけです。利用者としてインサイトがわかるカテゴリーでマーケティングをすることのメリットもありますが、わからないカテゴリーを経験すると、どんなカテゴリーでもマーケティングを考えられるようになる土台ができるのかもしれませんね。

 話を戻すと、インサイトを捉えるためには対象者が言っていることをただ聞くだけではダメで、「そのように言う理由」を突き詰めて考えることこそが大切だと思っています。

木村:なるほど。僕も、インサイトを見るけるためには、マーケターが自分で仮説を持った上でなぜを繰り返すことが大事だと考えています。中川さんがマックスファクターをご担当されていた頃から、地道に考え尽くすということをやられていたということを知れてよかったです。

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難しいことを万人ができるようにしたのが、現代のマーケティングである

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

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MarkeZine(マーケジン)
2023/11/15 09:00 https://markezine.jp/article/detail/43951

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