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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2025 Retail

「欲望(Desire)」で紐解く、消費者の今と未来

2023年のヒット作品から「2024年の欲望」を予測してみる

2024年の日本人のデザイアブルライフ

 『怪物』ではメタ視点を読み解く一方で、『サンクチュアリ-聖域-』では思い込みのメリットを読み解くという矛盾にお気づきかと思います。しかしどちらも日本人の欲望の本音だと我々は捉えています。

 我々は個別の欲望予測を踏まえて、日本人がどのような生活を望むのかという「デザイアブルライフ」までも検討していきます。上記を含め複数のヒット作品やヒット商品、潮流分析から求められる来年のデザイアブルライフ予測の一つは「エモ(没入)とメタ(俯瞰)のいったりきたり充実ライフ」というものです。

 先述通りこの不確実な世の中を生き抜くためには、自分の思考フレームにとらわれないメタ思考で様々な情報を摂取し拙速な結論を出さずに考え続けることが必要です。しかしその一方で、自分の好き嫌いといった価値軸で何かに熱中し人生を楽しみ、そして「何者か」になりたいとも考えます。この2つは相反していそうで実は連動しています。即ちエモーションのままに熱中する何かがあるとして、それについてもっと知りたいと視座を持ち上げた時にメタ思考が導入され、俯瞰した視点で獲得した学びや情報に基づきまた新しいエモが生まれ……という循環が考えられるのです。

 筆者で言えば『ゆる言語学ラジオ』というポッドキャストが大好きで欠かさず毎週聞いているのですが、言語について学ぶと自然にその成り立ちから人間の性質に考えが及んでいきます。そこで哲学や歴史に関する本をむさぼり読むことになるのですが、その時にデカルトやフェルマーの最終定理に興味を持ち今度は数学について思考を始めることになりました。エモとメタがいったりきたりする充実の毎日です。

 ここまでお話した内容は我々が予測した未来欲望のほんの一部でしかありません。本年は他にも『君たちはどう生きるか』『THE FIRST SLAM DUNK』『BLUE GIANT』『ONE PIECE FILM RED』『ブラッシュアップライフ』『VIVANT』『推しの子』『葬送のフリーレン』『ラブ トランジット』など各ジャンルで多くのヒット作品に恵まれました。これらすべてが新しい欲望の宝庫であり、横軸で見ていくことで様々な予測を導くことができます。

 我々「欲望の未来予測チーム」では毎年ヒット作品を分析し、「翌年の欲望」と「翌年のデザイアブルライフ」を予測。さらに今後どんな新商品やコミュニケーションが受容されるのかまでもレポートを行っています。もし気になる方がいらっしゃいましたらDENTSU  DESIRE DESIGNまでお声がけください!

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この記事の著者

佐藤 尚史(サトウ ヒサシ)

株式会社電通 第2統合ソリューション局 プランニングディレクター

古今東西の人文知を武器に企業と社会をつなげるマーケティング戦略の立案とアイデア開発を行う。サービス設計からワークショップ企画、イベント実施まで行う究極のプランニング雑用係。個人的パーパスは「人を知ると社会がよくなる」。ポッドキャスト「ニンゲンラジ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/11/07 09:30 https://markezine.jp/article/detail/43967

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