価値観は、「おしゃれ」と「流行」、「下調べ」
続いて「価値観」について見ていく(図5)。
価値観は、大きく3つの傾向に分類される。1つ目が青色で示す「自分を着飾ることは生活の上で重要だ」や「自らを磨くための投資は必要だと思う」といった、身だしなみやおしゃれに気を遣う人であるという傾向だ。身だしなみに興味・関心が高かったのは、こういった価値観が影響していると考えられる。
2つ目は、ピンク色で示す「人が持っているのを見て、思わず欲しくなってしまうことが多い」や「流行やトレンドに敏感な方だ」、「周囲の人と比べて、自分が浮いていないかいつも気になる」といった周りや世の中の動きを気にする人であるといった傾向である。興味関心で上位の「料理・レシピ」や「音楽」なども、流行に大きく影響されるものである。
3つ目は、緑色で示す「商品の評判や口コミをチェックしてから買い物をすることが多い」や「新商品が出ると情報をチェックせずにはいられない」といった、いろいろと調べた上で買い物をする人であるといった傾向である。メディアやSNSの利用動向で「YouTube」や「Instagram」が上位に入っていること、そして、興味関心で「買い物(ショッピング)」が特徴として挙がったのは、これらの価値観の影響であると考えられる。

実際の購入は「安い商品をまとめ買い」
興味・関心や価値観から、ファッションチャンネル登録者は、流行やトレンドに敏感であり、YouTubeやInstagramでいろいろと下調べをした上で商品を購買する、おしゃれ好きな人であることがわかった。
では、この人たちが何にどのくらいの金額をかけているのか、購買状況をカテゴリごとに確認していく(図6)。
支払金額(1ヵ月あたりの平均)を確認してみると、興味・関心と同様に「ファッション」「美容院」「スキンケア・基礎化粧品」といった身だしなみへの出費が多い。購買単価(直近1年間の平均)は、「香水」「シャンプー・コンディショナー」「洗顔料・クレンジング」が高い。一方で、「アイライナー」「マスカラ」「チーク」「乳液・美容液」などは、一般よりも若干下回っている。購買頻度(直近3ヵ月の平均)は、「化粧品」「お菓子」以外は下回っている。
これらの結果から、1ヵ月あたりの「ファッション・美容・化粧品」といった身だしなみ関係への出費は高いものの、商品単価や頻度はそこまで高くないことから、安い商品をまとめ買いしているのではないかと推察できる。1ヵ月あたりの自由に使える金額がそこまで高くないことや、学生が多いことを踏まえると、興味・関心は高いものの支出はある程度絞られているようだ。
