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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2025 Autumn

データで読み解く

YouTubeでファッションチャンネルを見ているのはどんな人? 価値観や購買実態を探る

女性・男性共にブランドにはこだわっている

 最後に、ファッションチャンネル登録者が好むブランドを把握していく。「FanDataBase」と「ブランドデータバンク」の2のデータベースからシングルソース(共通回答者)でデータを抽出し、分析した。なお、ここからの比較対象は上記のバイアスを取り除くためFanDataBaseとブランドデータバンクの共通回答者を「一般」、ファッションチャンネル登録者を「分析対象」(n=388)としている。

 図7は、各カテゴリの特徴的であったブランドについてまとめたものである。女性のファッションから見てみると、服は「LOWRYS FARM」や「GRL」、「GU」といたZ世代に人気のプチプラブランドや、ゆるふわでガーリィなテイストのブランド、バッグは「GRL」の他に「Furla」や「COACH」といったブランドを好む点が特徴的であった。前のページで紹介した通り、ファッションの支払金額は高い中で、どちらかというと服よりもバッグにお金をかけているようである。

 続いてコスメは、「rom&nd」や「Anua」、「魔女工場」といった韓国コスメや、「井田ラボラトリーズ」といったドラッグストアで販売しているような手ごろな価格のブランドも特徴的で、発色の良いものが好まれていると考えられる。好きなTV・動画ジャンル、音楽アーティストを見ても、韓流人気が目立ち、ファッションに限らず「韓流好きな層」という特徴がある。また、YouTubeでは、ファッションだけでなく美容チャンネルも視聴している。

 男性を見ていくと、服は「COMME des FARCONS」や「BEAMS」が上位でセレクトショップや個性的なデザインのブランドなど、こだわりがうかがえる。腕時計は「ROLEX」と、ハイブランドが好まれ、「一般」よりもおしゃれにお金をかけているようである。また、美容院発の整髪料を使い、「無印良品」の化粧品でメイクをし、スキンケアにも気を遣う。

【図7】ファッションチャンネル登録者の好きなブランド(男女別)
【図7】ファッションチャンネル登録者の好きなブランド(男女別)

 このように、YouTubeのファッションチャンネル登録者の特徴として、若年層の中でも特にファッションへのこだわりが強い層であることが明らかになった。YouTubeでタイアップやコラボ先を検討したり、チャンネル戦略の策定をしたりする場合、チャンネル登録者の実態を把握することは非常に重要である。基本属性から趣味・関心事、価値観や、普段のメディア接触行動や持ち物の特徴などのデータを多角的に分析することで、ターゲットの解像度を上げることができる。より効果的なYouTube施策を実行いただくために、ぜひ参考していただきたい。

【分析データの概要】

「FanDataBase」

 YouTubeチャンネルの登録ファンについて、詳細な属性、興味・関心、価値観を明らかにします。複数のチャンネルを横断した分析や、アンケートやインタビュー、その他当社が保有する様々な消費者データと掛け合わせて分析することも可能です。https://www.macromill.com/service/digital-data/subscribers-analyze/

  • 調査方法:インターネット調査(マクロミル消費者パネル)
  • 調査期間:ファッションチャンネル登録者調査 2023年5月25日~2023年6月13日/一般調査 2023年5月24日~2023年5月27日
  • 調査対象:全国15~59歳の男女
  • 総サンプル数:ファッションチャンネル登録者調査35,155人、一般調査2,488人

 ※「一般」の定義:比較用一般調査回答者2,488人

 ※「ファッションチャンネル登録者」の定義:FanDataBase回答者のうち、ファッションチャンネルを登録している人1,399人

「ブランドデータバンク(bdb)」

 全国3万人の生活者から聴取したおよそ200項目に及ぶ、所有/嗜好ブランドや豊富な属性、価値観、メディア接触などのデータを10年以上蓄積しています。多彩なデータを横断的に分析することで、ターゲットユーザーのライフスタイルをペルソナ化します。https://www.branddatabank.com/

  • 調査方法:インターネット調査(マクロミル消費者パネル)
  • 調査期間:2023年7月14日~2023年7月29日
  • 調査対象:全国15~69歳の男女
  • 総サンプル数:31,990人

 ※「一般」の定義:ブランドデータバンク第37期調査回答者かつFanDataBase回答者11,524人

 ※「分析対象者」の定義:ブランドデータバンク第37期調査回答者かつFanDataBase回答者のうち、ファッションチャンネルを登録している人388人

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この記事の著者

石丸 悠太郎(イシマル ユウタロウ)

株式会社マクロミル 
デジタルマーケティング本部 テクノロジー&デジタルプロダクツ部 
データアナリスト

 大学院では情報科学を専攻し、ID-POS、移動データを用いた店舗内回遊モデルの構築とマーケティングへの応用を研究。アナリストとしてプロダクト企画部門に所属し、データサイエンスを活用した分析ソリ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/12/12 09:30 https://markezine.jp/article/detail/44240

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