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MarkeZine Day 2023 Retail

Z世代に向けて、店舗体験にプラスの価値を!ワコールが挑んだ、3D計測サービスのリブランディング

 テクノロジー活用によって顧客の店舗体験はどこまで進化させることができるのだろうか。MarkeZine Day 2023 Retailでは、ワコールでサービスの企画設計や顧客コミュニケーションを担う南氏が登壇。同社が展開する3Dボディスキャナーによるセルフ計測サービスで提供する価値について紹介し、同サービスのZ世代向けリブランディングの取り組みと、その背景にある顧客インサイトを解説した。

来店にプラスアルファの体験価値を

 インナーウェアの製造・販売を手掛けるワコールでは、2019年5月に3D計測サービス「3D smart & try」を開発。同年から店舗にてサービス展開している。このサービスの展開についてワコールの南氏は「デジタルの力を活用し、店舗へ来店することに価値を感じていただけるよう、販売だけではないプラスアルファの体験価値を提供しています」と、セッションの冒頭で語った。

 同氏が所属するイノベーション戦略室では、ワコールが持つ約2,500の店舗と約3,000名の販売員を活かし、デジタルのみを推進するのではなく「人が活きるデジタル」を軸として価値創造に取り組んでいるという。

株式会社ワコール マーケティング本部 イノベーション戦略室 サービスデザイン担当 課長代理 南智沙氏
株式会社ワコール マーケティング本部 イノベーション戦略室 サービスデザイン担当 課長代理 南智沙氏

 「3D smart & try」を導入した背景には、インナーウェア売り場での接客に対する顧客の声があった。

 従来からある店頭接客では、インナーウェア売り場を訪れた顧客は販売員に声をかけられ、販売員主導で商品についての会話が展開される。その後、試着室に移動し個室で身体を採寸され、商品選びや試着をする流れだ。こうした一連の体験に対し「初対面の販売員に自分の身体を見られるのは抵抗感がある」「サイズ選びが難しく、きちんと測って買わないと失敗しそうだ」という顧客の声が、サービス開発のきっかけとなった。

3D計測サービスで実現する顧客体験とは

 なぜこのような接客フローが行われていたのか。南氏は、「最適なインナーウェアに出会うためにはこれらのフローが必然だ」という販売側の考えが以前からあったのだと話した。

 インナーウェア選びには、バスト周りの集計値やそれぞれの身体の特徴・年代といった「体型」、バストの造形や着心地などの「要望」、デザインやカラーのような「好み」の、3つの要素が関わってくる。このうち体型と要望は、販売員のサポートが必要となる要素だといえる。

 「3D smart & try」は、顧客が一人でセルフ計測を行え、インナーサイズや全身18ヵ所の計測数値、体型特徴が把握できる。そして最後に、接客を受けるか否かを顧客自身が選択できる仕組みだ。

 サービスの流れとしては、まず顧客は専用アプリ「WACOAL CARNET」をダウンロード。来店したら計測ルームに入り、自分でタッチ操作をしながら3D計測を行い、スキャナー画面で結果を確認できる。計測が終わったらアプリにデータをダウンロードし、接客希望者は「接客リクエストシート」を販売員に渡す仕組みで、スムーズな販売員との接点創出にもつなげている。

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 加えて、パーソナライズされた購買体験も実現。ボディスキャナーでの計測によって、3D映像などのデータだけでなくワコールの各ブランドのレコメンドや、過去実施した自分の計測データと比較(アプリ限定機能)することも可能に。顧客それぞれの情報を可視化させ、ストレスフリーな購買体験を提供できるようになった。

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この記事の著者

吉永 翠(編集部)(ヨシナガ ミドリ)

大学院卒業後、新卒で翔泳社に入社しMarkeZine編集部に所属。学生時代はスポーツマーケティングの研究をしていました。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/02/08 08:00 https://markezine.jp/article/detail/44647

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