SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

『DATA is BOSS』刊行記念コンテンツ

「データと真摯に向き合い、受け入れる姿勢が大切」『DATA is BOSS』刊行記念 榊×青木対談


榊氏が行う、経営と分析視点の自問自答

青木:そうなんですか? 社長として何が起きているか知りたいから、普通に会話したいものだと思っていました。僕はデータに限らず、現場に興味がありますね。開発や商品クオリティの管理プロセス、倉庫のオペレーションとかがどうなっているのかな、と。

榊:いい姿勢ですね。分析担当者に足りないのは「問い」なんです。その点で、社長から問いが降ってくるのは、非常にいい環境だと思います。私は両方の視点があるので、いつも自問自答するわけです。たとえば……。

社長・榊:「年末年始、どうだった?」

分析・榊:「いい感じですよ。特にこのあたりの地域の宿が好調でした」

社長・榊:「その要因は?」

分析・榊:「温泉の泉質や、交通の便が良くなったことのようですね」

社長・榊:「なるほど、確かにその地域は〇〇温泉のお湯がすばらしいからね」

榊:最後の「〇〇温泉のお湯はすばらしい」といった情報は分析担当者が持っていないもので、分析を深くしていくには、こうした情報が必要だったりするんですよね。

青木:確かに。僕も、分析に関わっているメンバーを集めて、こちらから問いを出して答えを出してもらって、というのを続けています。まだ、その答えを上手に活用できている気はしませんが……。また、意外な答えもあまり出てこないので、経営がドラスティックに変わったわけではありませんが、やはりリスクに気づきやすくなるという利点はありますね。長年の推移と照らし合わせると、外部環境の変化にも気づきます。

榊:答えは、意外じゃなくていいんです。長年コンサルタントをしていたのでわかりますが、あっと驚く分析結果が出るのは非常にまずい状態です(笑)。

データを“パートナー”にするために

青木:それならよかったです(笑)。この数年、データ分析と活用にコツコツと力を入れてきて、最近ようやく効果を実感できるようになりました。

 仕事とは「売る仕事」「作る仕事」「買う仕事」のどれで課題を解決するかに分類できるかなと思っていて。僕が務める経営者の仕事は、純粋に買う仕事だと感じています。資金調達も採用も、メディアや世の中の関心や理解を得ようとするコーポレートコミュニケーションも、買う仕事です。M&Aのような大きな買い物ではありませんが、僕、小さい買い物を上手にするのはけっこう得意です(笑)。で、作る仕事や売る仕事は、社内の別のメンバーが担っています。

榊:なるほど。私は売る方が得意ですね。しかも、興味がないパートは放置しがちです(笑)。青木さんは、データにちゃんと興味をもって、実践されてきた点がすばらしいと思います。

青木:やればやるほど、データに興味が湧いていますし、データを活用するほうが誠実に経営できそうだとも感じています。自分が「こうしたい」じゃなく、目の前にある事実からすべてを考えていく。商品が売れなかったら、タイミングが悪かったからかも、などと思いがちですが、やはり「売れなかったことを重く受け止めるところからスタートしないと改善しないね」と社内でも話しています。

 もっとデータと“パートナー”になっていきたいです。そのためには自分の考えを相対化する態度が重要ですね。そうして初めて、「いやいやデータはあくまで参考だから」と言わずに、データとちゃんとパートナーになれそうです。

榊:今日は、青木さんのデータへの向き合い方がぐっと進んだことがよくわかりました。また、さらなる進化をお聞きするのを楽しみにしています!

DATA is BOSS 収益が上がり続けるデータドリブン経営入門

Amazon SEshop その他

 
DATA is BOSS
収益が上がり続けるデータドリブン経営入門

著者:榊淳
発売日:2024年2月15日(木)
定価:2,200円(本体2,000円+税10%)

本書について

数字やデータの扱いが苦手でも、本書を通してエンジニアやデータサイエンティストに、やりたいことを適切に伝えるエッセンスを習得できるため、データドリブン経営への第一歩が踏み出せる!

『DATA is BOSS』刊行記念 榊×石戸対談はこちら!

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
関連リンク
『DATA is BOSS』刊行記念コンテンツ連載記事一覧
この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2024/11/01 12:13 https://markezine.jp/article/detail/44683

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング