NewsPicksの動画マーケティングの概況
NewsPicksのアプリインストール広告では、従来から動画クリエイティブでユーザーを獲得してきた。ただ、その大半はNewsPicksならではのオリジナル番組のダイジェスト番宣動画や、テレビCMクリエイティブだった。
より幅広い潜在ユーザーへのアプローチ手法として拡大の可能性を感じていたのが、昨今増加する縦型動画の出稿面で、視聴体験に合わせた表現でNewsPicksの価値を伝える、新たな方向性の動画広告だ。
本記事で紹介するチャレンジを進めた結果、動画広告の内訳は大きく変化した。直近半年では新たな方向性の動画クリエイティブが動画広告全体の30%以上、TikTokにおいては90%以上を占めるまでに成長した。媒体別では、TikTok広告の攻略が大きく寄与している。2022年4月に出稿を開始して以降、出稿額を初月の26倍に拡大させながら、CPIを5分の1に落とした。
動画マーケへのシフトでぶつかった壁
静止画から動画へのシフトに際し直面したのが、量と質の両立という課題だ。
動画では、静止画に比べ1つの広告に含まれる要素が多いため、分析軸や制作時の検討要素も複雑になる。
必然的に検討や制作に必要な時間・工数も膨れ上がり、インハウスで十分な本数を制作するにはある程度のリソースが必要となってくる。自社内には動画制作に長けたクリエイターも在籍しているが、SNS向けの広告動画となると専門的な知見が求められ、社内に制作に適したリソースはなかった。
一方、仮に制作を外注するとなれば最低でも1本3万円程度が相場で、細かなクリエイティブPDCAを回そうと思うと月数十万円~100万円の制作費を見込まねばならない。
同時に、担保せねばならないのがブランディング観点での品質だった。UGClikeを含めた新たな動画表現にチャレンジする中でも、メディアとしての信頼性やブランドイメージの棄損は避ける必要があり、量・質・コストに叶う手法を模索していた。
比較検討した手法
動画マーケティングのインハウス運用を構築するにあたり、私たちが検討した手法が以下の4つだ。
1.簡易動画制作ツールを活用し、非デザイナーで制作
2.動画制作会社に動画制作のみ委託
3.広告代理店に運用ごと委託
4.動画クリエイター業務委託