SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

新着記事一覧を見る

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

NewsPicksのLTVドリブンマーケティング

NewsPicks実践:フリーミアムモデルで「LTV算出」が広げてくれたマーケティングの可能性

 フリーミアムモデルのプロダクト・サービスにおけるマーケティングについては、戦略の道筋を立てるのが難しく、また参考となるような情報が世にあまり出回っていない。本連載では、2018年中ごろからNewsPicksが試行錯誤しながらアップデートしてきた、フリーミアムモデルにおけるLTVドリブンマーケティングの全容をCMOの菊地幸司氏に紹介してもらっている。最終回である本稿では、1~2回で解説したLTVドリブンマーケティングの考え方を踏まえて、実際に行っている具体的な施策やマーケティング投資の評価軸などを共有いただく。

NewsPicksが注力する3つの認知施策と評価基準

 1本目、2本目の記事では、NewsPicksが行っているLTVドリブンのマーケティングについて、その全体像をご紹介しました。本テーマの最終回となる本記事では、LTV起点のマーケティングにおいて実際に展開している施策や、マーケティング投資への考え方についてご説明します。

 2本目の最後でお伝えした通り、NewsPicksでは無料会員を獲得することに注力しながら、ブランドの認知率を上げる施策も行っています

 認知施策の一つは、テレビCMに代表される、マスマーケのような認知施策です。テレビCMは放送中の獲得による直接効果に加え、放送期間外の残存効果などの間接効果を含めて施策効果を評価しています。

 しかし、NewsPicksではそこまで含めても、獲得単価の比較でマスマーケはデジタルマーケティングに及びません。ただ、認知が広がることでオーガニック獲得とデジタルマーケティングの単価低減に大きな効果はあります。よって、獲得単価はデジタルマーケティングとテレビCMの合算でLTVを超えない形とし、かつ認知拡大が必要なタイミングで実施を検討しています。

 実際、2022年に実施したテレビCMは、2022年の新規会員獲得はもちろん、2023年のオーガニック獲得とデジタルマーケティングの増加に貢献しています。

 二つ目は認知拡大・無料会員獲得を目的とした、動画によるコンテンツマーケティング施策です。

 前編で、有料動画コンテンツのオーガニックリーチにYouTubeとの相性がいいとお伝えしました。NewsPicksでは常にオリジナルの有料動画や、広告コンテンツとしての無料の動画を制作しています。それらのコンテンツは番組制作チームがYouTubeに公開してくれており、認知拡大にも大きく寄与してくれています。そこに着目し、ターゲティングできるマーケティングの手法としても注目しています。

 どういうことかというと、YouTubeのアルゴリズムは、かなり似た視聴者層に偏ると感じています(それだけ親和性のあるセグメントに配信されている裏付けでもあると言えます)。たとえば、子供の教育系のコンテンツだと視聴者層が30~40代の女性が多くなります。また、就活生向けコンテンツで若者に人気のあるYouTuberの方にご出演いただいたところ、20代の男性の視聴者が多くなった実績があります。これは、ターゲット層に受け入れられるコンテンツを作れば、コンテンツでターゲティングできるということを意味します

NewsPicks公式YouTubeチャンネルより

 三つ目は認知施策ではありませんが、認知がない方にもアプリをインストールしてもらう取り組みとして、TikTokなどでUGC風なクリエイティブにチャレンジしています。一見するとNewsPicksっぽくないクリエイティブですが、閲覧してくれているターゲットのシチュエーション・便益を、ユーザー目線で制作したものです。

 学生・20代をターゲットにしたクリエイティブでは、実際にNewsPicksでインターンをしてくれているメンバーが企画から制作まで担当しました。それまでのクリエイティブのトーンと違うため、どの程度反応があるか想像できませんでしたが、その他の標準的なクリエイティブよりも実績が出ているものもあります。

この記事はプレミアム記事(有料)です。ご利用にはMarkeZineプレミアムのご契約が必要です。

有料記事が読み放題!MarkeZineプレミアム

プレミアムサービス詳細はこちら

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラスをご契約の方は
・こちらから電子版(誌面)を閲覧できます。
・チームメンバーをユーザーとして登録することができます。
 ユーザー登録は管理者アカウントで手続きしてください。
 手続き方法の詳細はこちら

次のページ
マーケティングが「予算」に対して持っている役割と責任

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
関連リンク
NewsPicksのLTVドリブンマーケティング連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

菊地 幸司(コウジ キクチ)

 千葉大学工学部卒業後、三井物産子会社にて新規事業開発を担当。Eコマース事業の立ち上げ、Webサイト改善、CRMシステムの構築、在庫予測システムの構築などデータドリブンマーケティングにより黒字化。その後アイ・エム・ジェイ(IMJ)にてデジタルマーケティング戦略立案・実行支援に従事。

 2017年にNew...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2024/04/24 14:33 https://markezine.jp/article/detail/44815

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング