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KPOP人気を支えているのは若年層だけじゃない?!40~50代のファンやコア層の推し活実態を分析

日本でのKPOP人気を高める日本人メンバー

 続いて、次世代グループとしてさらなる人気が見込まれる、第四世代KPOPグループを中心に、関心のもたれ方について分析してみます。

 以降の表は、グループ名との掛け合わせで検索されたワードのランキングとその検索ユーザー数を示しています。赤色は日本人メンバー、黄色は日本人以外のメンバー、青色は曲名に関する検索にあたります。

 2023年の紅白に初出場したLE SSERAFIM(ル・セラフィム)、2022年の紅白に出場したIVE(アイヴ)共に、日本人メンバーに関する検索が多いことが見て取れます。

2023年2月~2024年1月 検索ユーザーの属性別割合(Dockpit/PC・スマホ合算)
2023年2月~2024年1月 「LE SSERAFIM(表記ゆれ含む)」との掛け合わせワードのランキング(Dockpit/PC・スマホ合算)
2023年2月~2024年1月 検索ユーザーの属性別割合(Dockpit/PC・スマホ合算)
2023年2月~2024年1月 「IVE(表記ゆれ含む)」との掛け合わせワードのランキング(Dockpit/PC・スマホ合算)

 TWICEの日本人メンバーがグループの人気を牽引したことを踏まえ、今では、日本市場での現地化を狙って多くのKPOPグループで日本人メンバーがデビューしています。やはり日本での現地化には、日本人メンバーが貢献しているようです。

20代のファンは「推し×疑似恋愛体験」を求める傾向も

 ここまでグループ名検索を中心にKPOP関心層を分析してきました。最後に、よりコアなファン層が利用する推し活専用のWebサービスの利用動向を分析してみたいと思います。分析対象のWebサービスは、以下の4つです。

       
サービス名 Weverse(ウィバース) bubble(バブル) 推して何日? FAMILY CLUB web
サービス内容 KPOPアーティストを中心に、世界中の様々なアーティストとファンとのコミュニケーションをサポートするオンラインプラットフォーム。アーティストによるリアルタイムなライブ配信「Weverse LIVE」をはじめ、ファン同士の交流やグッズ購入も可能。 推しのアーティストのbubbleを「購読」することで、アーティスト本人からのメッセージを受け取り、それに返信ができるチャットサービスアプリ。参加アーティストはK-POPアーティストが中心。 憧れのアイドル、アニメ、漫画のキャラクターなどの推しを推してから何日経ったかを一目で確認できるアプリ。グッズ購入の記録、推し貯金にも対応。 SMILE-UP.(旧ジャニーズ事務所)所属アーティストのブログや限定コンテンツが閲覧できるWEBサイト。
料金 基本無料。一部有料コンテンツあり ダウンロードは無料だが、サービス利用は有料 基本無料。一部有料コンテンツあり 有料

 各サービスの利用者の属性を見ると、グループ名検索者と比較して、女性比率が大きく上がっています。また、年代別で見ると、KPOPアーティストを中心として提供されている「Weverse(ウィバース)」の利用者について、40~50代がボリュームゾーンとなっていることが特徴的でした。コア層においても、40~50代のファンが多くいるようです。

2023年2月~2024年1月 検索ユーザーの属性別割合(Dockpit/PC・スマホ合算)
2022年2月~2024年1月 各サイト・アプリユーザーの属性別割合(Dockpit/PC・スマホ合算)

 一方、推しと疑似的なメッセージのやり取りができる「bubble(バブル)」や、推しとの記念日を管理できる「推して何日?」など、推しとの疑似恋愛的な関係性を楽しめることを主張したアプリについては、20代の割合が高くなっています。推し活に疑似恋愛的な体験を求めるのは、20代に特徴的な傾向と言えそうです。

2023年2月~2024年1月 検索ユーザーの属性別割合(Dockpit/PC・スマホ合算)
2022年2月~2024年1月 各サイト・アプリユーザーの属性別割合(Dockpit/PC・スマホ合算)

女性の余暇の過ごし方の一つとして動向に注目を

 ここまで、KPOP市場について分析を行い、KPOPのファンのあり方や行動について、推しているグループや年代別での違いを明らかにしました。

 Z世代女性が牽引すると言われがちな日本のKPOP市場ですが、関心層・コア層のどちらを見ても、40~50代の女性が意外にも多い結果となりました。BTSが安定して人気であることを踏まえると、幅広い年齢層で人気が拡大していることは、KPOP全体でファンが定着しつつある傾向を示しているのではないでしょうか。

 下のグラフのように、第四世代のKPOPグループも、昨年12月の紅白出演もあり、TWICEとほぼ同水準かそれ以上の関心を持たれるようになっています。女性を中心とした余暇の過ごし方の一つとして、動向を追う必要がありそうです。

2023年2月~2024年1月 検索ユーザーの属性別割合(Dockpit/PC・スマホ合算)
2023年2月~2024年1月 各KPOP女性グループのグループ名検索ユーザーの月次ユーザー数推移(Dockpit/PC・スマホ合算)

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この記事の著者

小林 友里恵(コバヤシ ユリエ)

株式会社ヴァリューズ データマーケティング局 コンサルタント。

東京大学文学部社会学専修課程を卒業後、新卒でヴァリューズに入社。大手食品・飲料企業を中心としたFMCG業界の他、教育、金融、旅行など様々な業界のマーケティング調査と施策提言を担当。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/03/06 09:30 https://markezine.jp/article/detail/45035

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