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米国最新事情レポート『BICP MAD MAN Report』

「コンサル vs 広告会社」に一解を与えるアクセンチュアと財務の背景

 米国やグローバルにおける広告・マーケティング業界の最新情報をまとめたベストインクラスプロデューサーズ発行の『BICP MAD MAN Report』。そのカットアップ版をお届けする本連載。今月は、近年耳にすることが増えている「コンサル vs 広告会社」の比較構図に着眼し、「コンサルティング」の本質を考えてみる。

コンサル業界内の位置関係

 「コンサル vs 広告会社」の話題を見聞きする頻度が高い。グローバルにおいても、AccentureがDroga5を買収した頃から、広告・マーケティングの領域で「コンサル」が主語の会話が増えた。

 当然、人の話を聞くだけでは「コンサル事業」とは言えない。クライアントの話を聞き応対する姿勢を持つだけでは、働くすべての人が「総コンサル」になってしまう。コンサル事業やコンサル企業のコアバリューはどこにあるのか。これを整理してみようというのが本稿の主旨である。

 「コンサルBIG4」という言葉がある。“会計監査系の”コンサル企業でグローバル上位4位にいるDeloitte、EY、KPMG、PwC を指す言葉で、英語圏でも使われている呼称だ。さらにBIG4の上に位置するのが、通称「MBB」。McKinsey & Company、Boston Consulting Group(以下、BCG)、Bain & Company、3社の頭文字をとって「MBB」である。

 ここで言う「上位」とは事業規模の順位だけを意味しているのではない。クライアント企業の未来戦略の上位から働きかけ、頭脳として活躍することを意味する。「MBBがBIG4より上」という権威的な位置づけは、業界内の関係者なら少なからず持っている共通概念であろう。

 コンサル区分の前提知識として、監査法人系のコンサル企業は上場することができない。理由は、公正な立場で監査(税務)業務を行う必要がある中、クライアントが監査企業の株主になってしまうと、利益相反が発生し監査独立性を維持できなくなるから。BIG4 の4社はいずれも非上場企業であり、McKinsey & CompanyやBCG らも同様だ。

アクセンチュアの特異性と広告会社の立ち位置

 ここから本題として、コンサル業界におけるAccentureの特異な立ち位置と、広告会社が本質的に持っていないコンサル価値に焦点を当てる。

 図表1でAccentureがポジションを構えているのは、MBBとBIG4の間、あるいはその両方をカバーするTier2の位置だ。クライアント企業の未来戦略に上位概念から入り込むMBB系の素養を持ちながら、BIG4 の側面も持つという特殊な位置にいる。

 重要なのは、「BIG4の側面を持っている」という部分。Accentureは元BIG5 の会計監査アーサー・アンダーセンからコンサル部門だけを独立させて上場した企業であり、100 年以上脈々と引き継がれてきた「お金のプロ」の系譜を持つ。独立当初は、勤務歴が何年であれ新規で入社した社員は「まずは会計部門で2年間の修行」というフレームワークの徹底があったほどだ。

 一方、広告会社や、シンクタンク系の企業、あるいはコンサルと自称する企業は、一番右側に仕分けられる。それぞれの得意分野を持つ「ブティック(専門)コンサル」の位置づけだ。上場も可能である。

 たとえば、広告会社系が自社を「すべてを手掛けるコンサル」と称したところで、「M&A企業デューデリジェンス(FASコンサル:Financial Advisory Services)」や「世界事象に向けたリスク・アドバイザリー(例:新型コロナウイルスの将来予測)」「国際税務(例:グローバル・キャッシュフロー・マネジメント)」まではカバーできない。

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この記事の著者

榮枝 洋文(サカエダ ヒロフミ)

株式会社ベストインクラスプロデューサーズ(BICP)/ニューヨークオフィス代表
英WPPグループ傘下にて日本の広告会社の中国・香港、そして米国法人CFO兼副社長の後、株式会社デジタルインテリジェンス取締役を経て現職。海外経営マネジメントをベースにしたコンサルテーションを行う。日本広告業協会(JAAA)会報誌コラムニスト。著書に『広告ビジネス次の10年』(翔泳社)。ニューヨーク最新動向を解説する『MAD MAN Report』を発刊。米国コロンビア大学経営大学院(MBA)修了。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2024/03/08 09:30 https://markezine.jp/article/detail/45065

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