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【特集】人と組織を強くするマーケターのリスキリング

ビジネスの常識が根本から変わっていくAI時代、「自分の価値」をどう見出すか

対AIで「虫の目、鳥の目、魚の目」を養おう

──AIによる変化を大局で捉えるには、どのような力を鍛えるとよいでしょうか?

 とにかく、まずは手を動かすことですね。最近は安価に使える高度なAIソリューションもたくさんありますから、情報をウォッチするより先に手を動かすことを意識するとよいと思います。手を動かすことが大事である理由は、実際にAIに触れることで、強制的に自分の中の価値観や感度がアップデートされていくからです。「こんなこともできるのか!」と価値観が揺さぶられる体験をすることで、自ずと自分の視座も上がり、大きな流れを捉えようとする意識も働いてきます。

 「虫の目、鳥の目、魚の目」という言葉がありますよね。これからのビジネスパーソンに必要なのは、対AIで虫の目、鳥の目、魚の目を持つことと言えるかもしれません。手を動かしてAIに触れることでマイクロな視点を養うと、次は鳥の目でマクロにAIの現在地を見ることができるようになります。そうしてマイクロとマクロを行き来できるようになったら、魚の目で変化の流れを読むこともできるようになるはずです。

──生成AIを実際に使っていくとき、どのようなスキルがあるとよいでしょうか?

 「ChatGPT時代のAIを操る7つの力」として、必要になるスキルをまとめたものがあります。1〜7へと段階的にスキルを高めていくと、AIを手段として用いて価値を発揮できるようになるので意識してみてください。

(1)AI活用マインド

 AIに対してリアクティブではなくプロアクティブなマインドを持つ

(2)AIキホン理解力

 様々な職種の人とAIに関して円滑にコミュニケーションできるよう基本知識を身に付ける

(3)AI仕組み理解力

 AIの原理原則を仕組みとして理解する

(4)AI事例収集力

 その事例が旧世代のAIによるものか、最新のAIによるものかなど事例や情報を見定める力を養う

(5)AI企画力

 (1)〜(4)までの力が身に付くと、AI×ビジネスのマッチング力が育ってくる

(6)AIプロンプト力

 プロンプトを書き、自分の企画の実現可能性を確認しながらチューニングしていく

(7)AIマネジメント力

 実証実験レベルではなく組織にAI活用を定着させるために、最後はマネジメント力が問われる

組織における「AI力」にも差が出てくる?

──最後に、個人ではなく、組織レベルでのAI活用は今後どう展開していくか教えてください。

 生成AIはみんなのものです。オープンに提供されている以上、技術的な部分で各社が個別の競争力を持ち始めるということは考えにくく、生成AIを活用できる人材をいかに育てていけるか、自社の業務や組織の課題にAIをどう活用していけるかで差が出てきます。つまり、生成AIにおける企業の優位性は「活用力」が大きなパーツを成すわけです。

 10人社員がいたら、その横で20人分のAIが働いている──そんな状態を当たり前にできたら、その企業は間違いなく強い優位性を持つようになります。既に日本でも、AIを前提に人事制度を変えていこうとしている企業が出てきています。AIを本気で取り込もうとしている先進的な企業の動きをウォッチしたり、実際に話を聞いたりして、常に情報収集していくとよいと思います。

書籍

『ChatGPT時代の文系AI人材になる』著:野口竜司(東洋経済新報社)

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

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MarkeZine(マーケジン)
2024/03/28 09:30 https://markezine.jp/article/detail/45248

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