より質の高いマッチングの実現にBrazeが不可欠
――Brazeを活用した具体的な取り組み例をお聞かせください。
ひとつは、キャンバスフローによるシナリオ配信です。たとえば時間経過に応じて通知を使い分けており、一定期間アプリを開かなかったワーカーさんに対しては一律にプッシュ通知を送っています。現在、通知の約9割はシナリオに基づいて自動で行われています。
また、同一セグメント内でより細かな条件に応じてシナリオ分岐させることができるオーディエンスパス機能も活用しています。たとえば一口に飲食系の仕事といっても、接客が好きな人もいれば、一人で黙々と進めたい人もいます。また「いろいろな職場を体験したい」人もいれば、「一つの職場で腰を据えて働きたい」人もいるでしょう。このような志向性や年代に応じたセグメントを作り、メッセージを出し分けるほか、セグメント別のニーズ分析などを行っています。
そして、アンケートを送り、その回答結果をもとにセグメントを作成するシンプルサーベイを活用することで、特に新規登録されたワーカーさんの仕事歴を把握しています。タイミーを使ったことがなくデータがない人でも、よりニーズに合った仕事を見つけていただくことが可能です。もちろん、このことは求めている人材が来るという意味で事業者様側にもメリットがあるでしょう。
――Braze活用による成果を教えていただけますか?
導入後3ヵ月で求人掲載件数が増加しました。タイミーの導入事業者が増加していることで求人掲載件数も比例して増加していますが、加えてBrazeの導入によりマッチング品質が向上したことで、タイミーで求人を出すことに価値を感じた事業者様が増えたのではないかと考えています。
また、リピート利用するワーカーさんも増加傾向にあります。最初の利用でネガティブな体験をしてしまうと「もうタイミーは使わない」と利用を辞めてしまう可能性もあります。そのような中で繰り返し利用する人が増えているということは、やはりこちらもマッチングに満足している方が多いと考えています。
タイミーの顧客理解を深めるための取り組み
――ここまで話を伺ってきて、Brazeを活用することでマッチングの品質を高めることができているのは、元々タイミーのワーカーさんに対する理解度が高いからなのではないかと感じています。
確かに顧客理解には力を入れています。顧客解像度が上がらなければ、施策が外れる可能性が高くなるからです。仕事として協力してくれるワーカーさんを募ってアンケートやインタビューを実施し、働くことに対する考えやニーズを直接聞いています。CMのメッセージを考える際も、ワーカーさんたちが思っていることをいかに抽出し、反映できるかが重要だと考えています。
このような顧客理解をもとに、様々な機能を追加しています。たとえば2023年10月には、ワーカーさんのスキルや実績を可視化する「バッジ機能」を追加し、これまでタイミー上で良い働きをしてきたと認められた業務がバッジという形で可視化されるようになりました。
タイミーのワーカーさんの中には「(実際にはスキルや経験があるにもかかわらず)履歴書や職務経歴書に書けるようなスキルや経験が思いつかない」ということを発話される方もいました。しかし、どのような方でも培ってきたものはあるはずです。バッジ機能によって、ワーカーさんの「できること」がわかりやすい形で可視化され、それらを履歴書の代わりのようにタイミー上で活用できるようになりました。
また、スキルや実績が可視化されたことで、的確なレコメンデーションも可能になり、より質の高いマッチングにもつながっています。