ユーザー体験の価値と事業価値のバランスを取るために
――ツールを効果的に活用するためには、組織や自社ビジネスに合わせた運用も重要だと思います。タイミーでは、どのようなチーム体制、メンバーがBrazeを活用されていますか?
マーケティング部には「プロダクトマーケティング」「ワーカーマーケティング」「クライアントマーケティング」の3つのグループがあるのですが、Brazeを活用しているチームは「プロダクトマーケティング」の中にあります。
プロダクトマーケティング配下にある理由は、売り上げ拡大を重視する事業価値と、ユーザーへの提供価値を分けて考えなければ統制がとれなくなると考えているためです。ワーカーやクライアントに向けたマーケティングの場合、売り上げを追うことは避けられませんが、そこを重視し過ぎるとユーザー数増加を狙うあまり、頻繁な通知を送ってしまうことになるかもしれません。すると、ユーザー体験を損なう可能性が出てくると考えています。
現在は、営業のリクエストをそのまますべて受け入れるのではなく、「この施策は本当に良いマッチングにつながるのか」という基準のもと、Braze専任チームが配信するかどうかを決定しています。
このように、Braze専任チームをプロダクトマーケティング内に置くことで、ユーザーへの提供価値と売り上げ拡大を目指す事業価値のバランスを取っています。
――「良いマッチングにつながった」とは、どのように評価しているのでしょうか?
何で評価するかは目的によって様々ですが、たとえばワーカーさん向けの満足度調査の結果を見て、ビフォーアフターで、より良い仕事場に出会えたと回答された場合はスコアが上がるようになっています。
広がるスポットワーク市場、価値を先んじて提供し続けていく
――最後に、タイミーの今後の展望と、そこでのBraze活用についてお聞かせください。
今後は休眠されている方や、アプリの起動頻度が低い方へのアプローチを強化したいと考えています。アプリを開いていただくことで始めて、私たちは提供価値を届けることができます。Brazeのオーディエンス連携を利用したSNSなどへの広告配信の最適化を通して、アプリを開かない層へのアプローチを強化していきたいと考えています。
また、細かな時間の調整リクエストをはじめ、ワーカーさんと事業者様のコミュニケーションの柔軟性をより高めるべく、マーケティングテクノロジーを活用していきたいと思います。
「タイミーを開くといいことがある」と思っていただけるようなサービスにしていきたいですね。スポットワークの市場が広がり、参入企業も増えていますが、今後も引き続き、これまでにない提供価値を先んじて世の中に出していきたいと思います。