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ポストCookie時代の本格到来を乗り越える

ポストCookieはCPA偏重脱却のきっかけ 博報堂DYMPのプランナーが語る対策の分かれ道

 2025年の初頭にGoogle Chromeの3rdパーティCookie利用が全面的に廃止されることで、多くの企業にとって次のマーケティング手法の構築が求められている。ポストCookie時代の本格到来に備えて企業が行うべき対応や具体的な手法にはどのようなものがあるのか。博報堂ⅮYメディアパートナーズでプラットフォーマー戦略局のソリューション開発プロデューサーを務める佐々木将人氏にうかがった。

Cookieを使わずに「人を追うか」「群を追うか」「それ以外か」

——これまでのキャリアについてお話しください。

 新卒で博報堂DYメディアパートナーズに入社して以来、ダイレクトマーケティングセクションで顧客獲得を目的とした施策の支援を中心に約3年間従事しました。

 その後、データサイエンス業務に携わることとなり、「マーケティングミックスモデリング(以下、MMM)」に基づいて、施策の事業成果に対する貢献度や適切なROIの測定に取り組む部門を経験しました。現在はプラットフォーマー担当として、クライアント企業がその顧客に価値を提供するためのソリューション作りを、データクリーンルームなどの活用からサポートしています。

株式会社博報堂DYメディアパートナーズ プラットフォーマー戦略局 メディアプラットフォーム戦略グループ メディアプロデューススタッフ 佐々木 将人氏
株式会社博報堂DYメディアパートナーズ プラットフォーマー戦略局 メディアプラットフォーム戦略グループ メディアプロデューススタッフ 佐々木 将人氏

——2025年の初頭には全面的にCookie利用が廃止されるため、多くの企業で対策が迫られています。現在、具体的にはどのような対策が取られていますか?

 まず、個人的には、Cookie規制の本格化は従来の“個人の動向”に注目したマーケティングを続けるかどうかの分水嶺だと考えています。

 デジタルマーケティングは、Cookieを活用した手法が登場して以来、大きく伸長してきました。しかし、個人情報保護の問題やブラウザ規制によりCookieが使えなくなることで、従来の手法でのマーケティングは完全に通用しなくなります

 そこで、現在大きく分けて3パターンの手段がポストCookieのマーケティング手法になると言われています。一つ目が、スマホの機器IDを活用するなど、規制後もCookieの代替となるIDを使うことで“個人の動向”を追いかける手法です。二つ目が、“個人”ではなく範囲を広げて“群”を追跡する方法。検索キーワードを活用するといった手法がこれに当たります。三つ目が、完全に別の方法を探すといったものです。

ポストCookieに向けた三つの手法のメリットとデメリット

——それぞれの手法のメリットとデメリットについてはどう考えていますか?

 引き続き個人の動向を追跡する場合、Cookieで追いかけていた部分をスマホの機器IDや1stパーティデータに置き換える手法を取ります。これは今まで行ってきた手法とアプローチが似ていることから、チーム内で方法の擦り合わせを行う必要がなくなるというメリットを挙げることができます。

 しかし、特にスマホの機器IDを使う手法では、個人情報の観点から人を追いかけるという問題は解決しません。そのため、今後の規制次第で利用できなくなる可能性があります。1stパーティデータの活用に関してもデータベースの構築やそれを使った実践がコスト面から困難なため、取り組みが行える企業の数は多くありません。

 個ではなく群で捉える場合は、スマホの機器ID追跡などの個を追う手法と比べると、法規制などによりデータが使えなくなるリスクが低い点をメリットとして挙げることができます。また、追跡する対象が個から群になるこの手法も、対象が変わるだけでアプローチ自体は従来と似ているため、担当する組織にとって取り組み方がわかりやすい点も利点です。

 しかし、群ごとに設定して構築したデータは、個でのデータと比較するとターゲットの解像度が下がってしまい、ターゲティングの精度は当然落ちてしまいます。

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この記事の著者

佐々木 もも(ササキ モモ)

 早稲田大学卒業後、全国紙で約8年記者を経験。地方支局で警察や行政を取材し、経済部では観光や流通業界などを担当した。現在は企業のオウンドメディアの記事企画や広報に携わる。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/04/26 09:00 https://markezine.jp/article/detail/45413

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