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ポストCookie時代の本格到来を乗り越える

ポストCookieはCPA偏重脱却のきっかけ 博報堂DYMPのプランナーが語る対策の分かれ道

早期の環境構築でより適したマーケティング手法を見つける

 二つ目が、人を追跡するマーケティングではない別の手法を長期視点で模索し、準備することです。

 元々デジタルマーケティングを行う前はどのマーケターもCookieなしで施策を行ってきたわけですし、それ以外のマーケティングの手法も進化しているはずです。生成AIなどの新たなテクノロジーの活用も含め、様々な方法で代替案の範疇ではない次の地点を模索するべきだと感じています。

 Cookie利用を前提とする従来のマーケティングが浸透した結果、CPA重視に囚われている企業が現在非常に多いと感じます。その一方で、顧客からも納得できる企業の存在意義、パーパスを策定し、その実現につながる指標を追う企業も徐々に増えてきました。目の前のコンバージョンに囚われすぎずに、もう少し深いポイントでお客様との接点を作り、マーケティングの本質に踏み込んだ施策を見いだすことが、真の脱Cookieの実現だと考えています。

ポストCookieをきっかけにマーケティングのあり方を再定義

——ポストCookieへの移行に一歩踏み出せない担当者の方へアドバイスをお願いします。

 1stパーティデータ活用に焦点を当ててお話をすると、1stパーティデータの利用は「Cookieが使えなくなるから仕方なくやる」ものではなく、積極的に行う意義があるものであることを意識していただきたいと考えています。Cookieはブラウザから得られるだけの情報であるのに対して、1stパーティデータはそれよりも深く、多面的な個人情報です。そのため、Cookieで取得するデータと比較し、企業が打ち手を探す際に機械学習させる目的変数を広げられることになり、より高い精度の分析が可能になります。個人的に、ポストCookie施策の成功の秘訣は実行の速度だと考えています。特にポストCookie以前からCDPを構築して対応できる状況になっている企業や、自社でエンジニアリング機能を抱えて社内分析が進んでいる企業、活用されていないものの部門をまたいだ1stパーティデータがある企業などは、たとえ施策がうまく機能せずともすぐに次の施策につなげることができます。このように、環境整備を早くできた企業ほど有利に働くので、まず新たな打ち手を試してみることが大切だと思います。

——今後の展望をお聞かせください。

 データとテクノロジーを活用してビジネスを成長させていくことが今後あらゆる企業に求められると思うので、我々としてもその部分をしっかりと追及していきたいと考えています。

 また個人的には、Cookieが使えなくなることを良い機会として、マーケティングをより深く捉えなおすべきだと思っています。これまで重視されてきた獲得効率を見るだけではなく、顧客接点の創出やパーパスの設定、企業の目的に合わせたマーケティング施策の設計など、より本質的なマーケティングができるように変革を行う良いきっかけとして、その支援に取り組んでいきたいですね。

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この記事の著者

佐々木 もも(ササキ モモ)

 早稲田大学卒業後、全国紙で約8年記者を経験。地方支局で警察や行政を取材し、経済部では観光や流通業界などを担当した。現在は企業のオウンドメディアの記事企画や広報に携わる。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/04/26 09:00 https://markezine.jp/article/detail/45413

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