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MarkeZine Day 2023 Autumn

マネフォ、日商エレ事例に学ぶ、売上に貢献できるBtoBマーケターの条件とは?

 新規リードの獲得だけでなく、商談や最終的な売上への貢献も求められるBtoBマーケティング。しかし、営業から「良い案件が来ない」と言われたり、営業に数多くのリードを提供しても売上につながらなかったりと、課題を感じているマーケターも多いのではないだろうか。2023年9月開催のMarkeZine Day 2023 Autumnでは、才流の栗原康太氏、マネーフォワードの成末庸平氏、日商エレクトロニクスの近藤智基氏の3名が売上に貢献できるBtoBマーケターになるための条件についてディスカッション。本記事ではその中から注目すべきトピックを紹介する。

失敗から学ぶ!BtoBマーケティング成功企業の反省

 マネーフォワードと日商エレクトロニクスという、BtoBマーケティングで成果を出している企業の取り組みを紹介しながら、売上に貢献できるマーケターになるヒントを探っていった本セッション。まずはそれぞれの過去の失敗談を共有することから始まった。

 日商エレクトロニクスの近藤氏が失敗談として最初に挙げたのは「プロダクトプッシュのメッセージ」。同社が扱う商材には、海外メーカーから輸入したプロダクトもある。そのため海外メーカーが考えるプロダクトの強みをそのまま日本の顧客にメッセージとして伝えたがゆえに上手くいかないことが多々あったという。

日商エレクトロニクス株式会社 エンタープライズ事業部 ビジネス推進部 部長 近藤 智基氏
日商エレクトロニクス株式会社 エンタープライズ事業部 ビジネス推進部 部長 近藤 智基氏

 「海外と日本では、市場のステージが違います。海外で売れ始めたものが、5年くらい遅れて日本にやってくる傾向があるのです。そのため海外メーカーが推す性能が日本のお客様が今求めていることとは限りません。課題感を醸成しつつ、日本市場に合わせてメッセージを発信する必要があるのですが、実際には海外メーカーが発信するプロダクトプッシュのメッセージをそのまま使ってしまうマーケターも少なくありません。結果としてお客様の心に刺さらない、自己満足なメッセージとなってしまいます」(近藤氏)

 2つ目に挙げられた失敗談は「自社が獲得したい顧客と異なるターゲティング」。これは「早く実績を作りたい」という気持ちが強いために生じるという。気持ちが先走るあまり「自社にとって本当に必要な顧客なのか」を考えることなく「とにかく購入してくれる顧客」をターゲティングしてしまうのだ。

 その結果、目の前の案件を獲得することだけに集中する「出会い頭 案件狙い」状態に。そこにはリードを育てるといった意識はない。案件を獲得した瞬間は良くても、継続しない状況に陥っていってしまうという。

 一方マネーフォワードの成末氏は、失敗談として「ターゲットレンジや販売先部門を考慮しない販売促進」を挙げた。

 「私は新しいサービスの立ち上げに携わることが多いのですが、様々な手段がある中で何を選択してプロモートしていくのかが、常に悩ましいと感じています。ターゲットレンジや販売先部門が異なるにもかかわらず他で上手くいった手法をあてはめても成果は出ないことを学びました。その部門の普段の行動などを考えて設計しなければいけないと思います」(成末氏)

株式会社マネーフォワード デジタルインボイス本部 副本部長 成末 庸平氏
株式会社マネーフォワード デジタルインボイス本部 副本部長 成末 庸平氏

売上につながるリードを獲得するために、顧客と会話する

 才流の栗原氏が「過去の失敗談を踏まえて、現在リード獲得する上で大切にしていることはあるか」質問したところ、日商エレクトロニクス近藤氏は「適切なメッセージ」「自社のターゲットにあった顧客」「獲得単価(ROI)」「獲得後から案件化までの流れを意識」の4つを挙げた。

 中でも「適切なメッセージ」で大切にしていることの1つとして、近藤氏は「顧客志向であること」を紹介した。

 「バリュープロポジションを社内で最初に練ります。『日本のお客様はこのような課題を持っている』『まだ気づいていないかもしれないが、課題感をどう出していこうか』といったことを最初にブレストし、すべての商材でカスタマージャーニーを作った上でメッセージを発信します」(近藤氏)

 この発言に対して栗原氏は「扱っている商材が多いにもかかわらず、すべてにおいてカスタマージャーニーを作っているとはすごいですね。確かに成果を出している企業のマーケターも同じ傾向がありますが、実際は日々の施策実行の部分にリソースが取られてしまい、手が回らない企業も少なくありません」と述べた。

株式会社才流 代表取締役社長 栗原 康太氏
株式会社才流 代表取締役社長 栗原 康太氏

 加えて近藤氏は顧客志向であるために、マーケターも顧客と接する機会を持つようにしていると説明。インサイドセールスとの一部兼務や営業同行、イベント後のアンケート実施を通して、ペルソナの課題感やペインを確認し、アップデートし続けていると語った。

 「ペルソナ不要説もありますが、私は刺さるメッセージを作るにはペルソナは必要だと考えます。プロダクトプッシュメッセージになることも避けられるでしょう。ターゲットとなるお客様を突き詰めていけば、そこから横に広がっていくのではないでしょうか」(近藤氏)

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この記事の著者

和泉 ゆかり(イズミ ユカリ)

 IT企業にてWebマーケティング・人事業務に従事した後、独立。現在はビジネスパーソン向けの媒体で、ライティング・編集を手がける。得意領域は、テクノロジーや広告、働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/05/10 08:30 https://markezine.jp/article/detail/45422

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