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田中洋が紐解く、ビジネス成功のキーファクター

その常識が事業成長を妨げている可能性も。盲目的マーケターが「ごっこ」を脱するために(田中洋×芹澤連)

 ブランド戦略論の第一人者であり、中央大学名誉教授でもある田中洋氏による本連載。第9回では、マーケティング界隈で話題の書籍『戦略ごっこ マーケティング以前の問題』の著者 芹澤連氏をお訪ねしました。実務家マーケターにおいては“痛いところ”をつくような内容もある『戦略ごっこ』。今回の対談も、当たり前の常識や価値観を見直さざるを得ないような、刺激的な内容となりました。

本記事は、MarkeZineプレミアム記事(有料)ですが、7月5日(金)まで期間限定で無料公開中です。

2万部突破『戦略ごっこ』著者の芹澤氏が登場

田中:今回は芹澤蓮さんをお迎えしまして、芹澤さんの近著『戦略ごっこ マーケティング以前の問題』をベースに、お話できればと思います。こちらの書籍、既に2万部を突破されたそうで。いわゆるマーケティング本としては、大変なヒットを記録されています。

『戦略ごっこ―マーケティング以前の問題』
『戦略ごっこ―マーケティング以前の問題』

 実はちょうど先日、私がリスペクトしてる2人の先生が別個の場所で『戦略ごっこ』を話題にされていたんですよ。「これは読んでおかないといけない」「ゼミでもみんなで一生懸命読んでいる」とお話しされていました。アカデミアと実務界の両方で話題になる本はあまりないので、その意味でも感嘆しています。

 そもそも、芹澤さんはどういう考え・思いのもと『戦略ごっこ』をお書きになったんですか?

芹澤:マーケティング界には広く知られている定説・通説が多々ありますが、これらをデータで検証してみると、「実は事実ではない」「確かにそういうこともあるんだけれども、一般的にそうだと鵜呑みにすることはできない」というような結果になることが往々にしてあります。

 たとえば、代表的なマーケティングフレームワークであるSTP。これは、あくまで市場の捉え方ないし思考のフレームワークであり、実際に起こっている物理現象ではありません。先人たちが物事を上手く理解するために仮説として置いた概念や枠組みが、あたかも現実の市場で起きている事実であるかのように誤認されてしまう――こういった問題がマーケティング界で多発していることを課題視していました。

 言葉が独り歩きすると、事実と概念の境界線が曖昧になり、神話を現実と錯覚してしまう人が出てくる。こうしたことが、いわゆる「ごっこ」、ちゃんとした言い方をすれば「再現性の危機」に繋がっていくのではないか、という危機感のもと執筆しました。

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/06/28 09:30 https://markezine.jp/article/detail/45580

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