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Instagram運用2.0──アルゴリズムに依存しないクロス戦略

Instagramアカウントを効率的に伸ばす「初期設計」 コンセプトづくりからコンテンツ戦略まで解説

 この5年間で大きく変化したInstagramの理想的な運用方法について、専門的な支援に実績を持つSAKIYOMIが解説する本連載。今回はアカウントのコンセプト設計と、フィード投稿、リール投稿の役割・改善手法を解説する。

市場・競合・ターゲットを踏まえてコンセプトを設計する

 前回は、Instagram運用の全体戦略について触れました。今回はアカウントを成長させるための具体的な方法の中でも「コンセプト設計」と「フィード投稿」「リール投稿」について解説していきます。

 まず、コンセプト設計に必要なのは次の4ステップです。

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 一つひとつを細かく見ていきましょう。

ステップ1:市場調査

 ターゲット設計およびコンセプト設計の材料を集めることが目的です。調査から市場の共通の価値観を押さえておくことで、外してはいけないポイントや見出すべき独自性が見つけられます。

 たとえば、「住宅のリノベーションを手掛ける事業会社でアカウントを新たに作る」なら、下記のような材料を見つけるイメージです。

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「リノベ」ジャンルにおける市場環境の考察まとめ(クリックすると拡大します)

ステップ2:競合調査

 こちらでは先述の市場調査の結果を踏まえつつ、競合他社によるInstagram上での既存の成功パターンを調べて整理し、自社アカウントが目指すべきポジションや差別化要因を探ります

 以下は、不動産ジャンルにおける成功アカウントを調べ、勝ちパターンとなっているコンテンツの種類をマッピングしたものです。「ノウハウ解説型←→映像企画型」と「建物軸←→人軸」から成る四象限に整理できることがわかります。

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 多くの企業の場合、ただ「流行っているフォーマット」や「よく見るコンテンツ」の真似をするだけでコンセプトづくりが終わってしまいがちです。しかし、現在はインフルエンサーも含めるとほとんどのジャンルにおいて既に競合アカウントが存在していることが多いです。

 そのため、競合アカウントが存在しない市場を狙うのは極めて難易度が高く、空いているポジションを築くよりも、既存のアカウントが構築した「勝ちパターン」を踏襲しながら、特定の部分を逸脱することで「独自性」を見出す工夫が重要です。

 ちなみに当社がコンセプト設計を検討する際には、成功しているアカウントを踏襲することを「順張り」、そこから軸をズラす/特定の要素を尖らせることを「エッジ」と表現し、独自性を見出します。

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「リノベ」ジャンルにおける競合調査の考察まとめ(クリックすると拡大します)

ステップ3:ターゲット選定

 同じジャンルを扱う場合でもアカウントごとにターゲットが異なります。ターゲットを極端に絞ることそのものが独自性になる場合もありますから、ターゲットの定義は非常に重要です。

 先ほどから例に挙げている「リノベ」ジャンルなら、次のように分けられるでしょう。

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ステップ4:コンセプト立案

 ステップ1の市場調査から抽出した市場共通の顧客インサイト、ステップ2の競合調査から抽出したInstagram上での既存勝ちパターンと独自性、そしてステップ3のターゲットの整理を基に、アカウントのコンセプトを決定します。

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 では、決定したコンセプトでどのようにコンテンツ発信を行っていけば良いのでしょうか? まずは、少し理解がしにくいフィード投稿の役割から説明します。

フィード投稿に拡散力を期待しない 秀でたフォロワー転換率

 「Instagramの発見欄でフィード投稿から100万リーチ」を狙うような時代は既に終わっています。実際に、当社SAKIYOMIのアカウントでも、9万人というフォロワー数に対し、フィード投稿による外部からのリーチは3,000~1万程度に留まります。フォロワー増加への影響度は微々たるものです。

 だからといって、フィード投稿がまったく必要ないかといったらそうではないと考えています。リール投稿よりもフィード投稿を読んでくれたユーザーはフォロワーに至る確率が高いからです。

 それもそのはずで、「情報が有益で後で見返したいコンテンツ」「じっくりと読み込みたいコンテンツ」は静止画のほうが表現しやすい。そのため、フィード投稿はリール投稿と比較すると拡散力に欠けますが、強い教育要素を持っており、ターゲットにリーチさえすれば、フォローまでつながりやすいといえます。実際に、リール投稿に接触したユーザーのフォロワー転換率が0.3~1%程度なのに対して、フィード投稿は4~7%程度と大きな差があるのです。

 問題は、フィード投稿の質を検証しにくいことです。現状のInstagramのアルゴリズムではフィード投稿は外部リーチしにくいため、そもそも良いフィード投稿なのかを検証できません。特にフォロワー数の少ない期間では1投稿につき数百リーチということもあると思いますが、こうした数値でPDCAを回そうとしても、正しい検証サイクルにはなり得ないでしょう。

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この記事の著者

下村 健太(SAKIYOMI)(シモムラ ケンタ)

2020年、学生時に立ち上げ時のSAKIYOMIへ長期インターン生として参画。大学院卒業後、運用代行事業のマネージャーを務め複数者のコンサルティングに従事。運用代行の納品責任者を経て現在、事業責任者を務め、100案件、150名組織の事業開発に携わる(参考:ブログYouTubeチャンネル)。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/06/19 09:00 https://markezine.jp/article/detail/45663

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