アプリインストール以降の利用率を重要視する傾向は強まる
━━サイバーエージェントではクライアントのモバイルアプリ広告戦略を支援する立場として、Molocoの認定代理店プログラムにいち早く参画され、連携強化を図っています。まずは、Molocoとの連携を強化した背景をお教えください。
金子:元々注力していたプロダクト群は、CPI(Cost Per Install)保証型のものが多く、いかに効率良くインストール数を増やしてユーザー獲得をするかがポイントとなっていました。しかし直近では、インストール以降の深い地点、つまりユーザーのアプリ利用率をより強く求められる傾向にあります。中長期的に、事業成長につながる高LTVユーザーの獲得を求められているのだと思います。
この高LTVユーザーの獲得を達成できる手段を提供しているのが、Molocoさんだと思っております。導入支援、受注後の運用支援もかなり手厚く行っていただける点が、認定代理店として連携を強化した背景にあります。
花里:アプリ黎明期はインストール数をKPIとするクライアント様が多かったのですが、マーケットが成熟してきた今、どれだけ売上やLTVで成果を上げていくかといったインストール以降の工程が大事になってきているのです。Molocoさんのプロダクトでそれを実現できると考え、連携を通してセールスを加速させています。
機械学習と最適化のスピード感がMolocoの魅力
━━先の背景を踏まえ、サイバーエージェントでMolocoとの連携に着目した狙いは何だったのでしょうか。
金子:複数社のDSP(デマンドサイドプラットフォーム)を並走させることはよくあるのですが、中でもMolocoさんが提供するDSPは機械学習による最適化が早いのです。他社だと3~4週間かかるのに対して、Molocoさんは2週間前後で最適化が終わり、KPIを達成できるかどうかの判断をより早く行える点は高い評価ポイントです。
花里:実際に、Molocoさんのプロダクトを活用した出稿はかなり伸びており、弊社が取り扱うDSPの中での出稿金額ランキングを見ると、ここ1年ほどは常にトップ3に入っている状況です。特に金融業界、ゲーム業界への提案はハマることが多く、かなり多くの引き合いや相談を受けています。
━━サイバーエージェントとの連携においてMolocoが提供するソリューションの概要とその強みを改めてお教えください。
豊福:『Moloco Ads』はファーストパーティデータと無数のコンテクストシグナル、キャンペーンデータを活用できるDSPです。
先ほど金子さんからご評価いただいた機械学習のスピードの速さは、元々代理店出身である私の目から見ても、代理店様にとってメリットを提供できるものとなっています。
iOSに強いソリューションが限られる中で有効な打ち手
高橋:特に日本市場は、iOSのマーケットシェアが非常に高いのが特徴である一方で、iOSに強い広告ソリューションは限られています。サイバーエージェントさんの挙げられている成果からして『Moloco Ads』がiOSのユーザーに対しても有効な打ち手になっていることは明らかですので、こうした市場感の中でも非常に役立つものだと考えています。現在、サイバーエージェントさんとは当社の日本市場における売上シェアが一番の代理店パートナーとしてお取り組みをさせていただいております。
岡崎:当社では、各ローカルマーケットにおいて特徴的な配信先アプリの開拓を進めています。直近では、Google Ad Exchange経由でX(旧Twitter)への配信が可能となりました。日本での配信において、配信金額ベースで上位になっております。
認定代理店プログラムにより、相互理解と踏み込んだ運用が可能
━━Molocoでは認定代理店プログラムの強化にも取り組んでおり、2024年2月にはグローバルでも開始されています。改めて概要をお教えください。
高橋:認定代理店プログラムの特徴は大きく三つあります。
- Molocoのトレーニングリソースや、新規ビジネス提案時の支援など、豊富なリソースと各種インセンティブを提供し、新規ビジネスの獲得を支援
- 新製品の発表や製品アップデートの先行体験のほか、営業支援、データスペシャリストによる分析サポートを優先的に利用できること。またクリエイティブチームやプロダクトチームなどMolocoのグローバルチームからの優先的なサポート
- 認定資格、アワード受賞など様々なマーケティング機会を通じて、業界におけるリーダーシップを取っていただける支援
岡崎:ご説明の通り、2024年2月にグローバルで公式に認定代理店プログラムをローンチしました。会社として代理店様のビジネスへの支援を本格的に打ち出し、そのプログラムの一環として、4月に弊社の韓国オフィスでAPAC(アジア地域)の認定代理店を集めたイベントを実施しております。
サイバーエージェントさん含め日本の広告代理店様をお招きし、当社のデータサイエンティストチームや、配信先のアプリと連携を取っているサプライチーム、プロダクトスペシャリストチーム、クリエイティブチームなどとミーティングを行っていただきました。意見交換を通じて、よりMolocoのプロダクトに関する理解を深めていただける機会になったと思います。
実は、広告ビジネスのほとんどが代理店中心になっているのは日本マーケットならではの特徴であり、グローバルからも非常に注目されています。代理店の成功事例としてサイバーエージェントさんにご登壇いただき、弊社チームに成功要因や日本というローカルマーケットのインサイトを共有していただいたことは大きな意義があります。
━━2023年6月から認定代理店となっているサイバーエージェントでは、認定代理店のメリットをどのように感じていますか。
金子:岡崎さんからご紹介のあった韓国でのイベントでは、プロダクトチームと分析チーム、クリエイティブチーム、サプライチームと議論を交わさせていただきました。
たとえば、弊社のクライアントから要望をいただいていた「クリエイティブの細かな分析」もその議題の一つ。その結果、これまで代理店にはあまり開示されてこなかったデータも分析できるように、新たな機能についても先んじて情報共有いただけました。
そのような一つ踏み込んだ運用・分析についてリアルでのミーティングができ、日本に持ち帰れる内容の多いイベントでした。韓国におけるMolocoさんの知名度の高さには非常に驚きましたね。
メガプラットフォーム以外での成果を上げ、広告ポートフォリオを広げるきっかけに
━━サイバーエージェントでは今後のアプリ事業者への支援において、Molocoをどのように活用していきたいと考えていますか。
花里:クライアント様の出稿費用は、どうしてもメガプラットフォームに寄る傾向にあります。それはそれでメリットもあるのですが、ビジネス上、ポートフォリオは広く持っている方が、より成果を出せる環境が作れると思っています。その意味でMolocoさんがこれからより大きく成長し、そのプロダクトも磨きがかかっていくことによって、私たちも良い提案ができるようになってくるでしょう。非常に期待しています。
金子:既存プロダクトについては、広告主様への導入ハードルを下げるパッケージを提供いただくなど、既にかなり密な連携ができています。導入後の運用についても引き続き連携を強化させていただきたいですね。新規のプロダクトは、今後かなり大きなアップデートがされるとお伺いしているので、クライアント様にいち早くご提供するための取り組みも一緒に行えればと考えています。
代理店ビジネスが最も進む日本でこそ、プロダクトに磨きがかかる
━━Molocoは今後認定代理店に対し、どのような価値を提供していきたいと考えていますか。
岡崎:認定代理店様に今後提供していきたいと思っていることの1つが、オンラインでのトレーニングです。どうしてもオフラインでの勉強会では時間効率が良くないという課題感があったため、オンライン上でMolocoのプロダクトに関するナレッジを高めていく仕組みやマテリアルの準備をしているところです。
豊福:Molocoはアプリマーケティングにおけるソリューションを提供する会社ですが、一方で機械学習という、クライアント様にとってはある意味わかりづらい仕組みを使っています。ただ、サイバーエージェントさんをはじめ認定代理店の皆様に、実際の成果を上げていただき、クライアント様のビジネスへの貢献という目的に対して、“使える”ソリューションといっていただけている状況です。このことは大きな意味があると捉えています。
Moloco自体はグローバル企業ですが、代理店様とのビジネスでいえば、日本が一番進んでいます。そこで実績を出していくことで、私たちは本国にフィードバックでき、そこからまたより良いソリューションを提供していきたいと考えています。
パフォーマンス広告の成果を最大化させたい皆様へ
Molocoのパフォーマンス広告ソリューションや、認定代理店プログラムにご興味をお持ちの方は、Molocoホームページからお気軽にお問い合わせください。