モバイルアプリの計測・分析ツールを提供するAdjustは、Sensor Towerとの共同調査による「モバイルアプリトレンドレポート 2024:日本版」を発表した。
同レポートでは、2022年1月から2024年3月におけるAdjustの上位3,000以上のアプリとSensor Towerのアプリダウンロード数および消費支出額のデータを基に、ゲーム・ファイナンス・Eコマース・PC/コンソール・コネクテッドTV(CTV)のカテゴリーにおいてインストール数とセッション数を分析。アプリパフォーマンスのベンチマークとインサイトをまとめたものとなる。
日本のアプリダウンロード数1位は「TikTok」、消費支出額1位は「ピッコマ」
まず、日本におけるアプリダウンロード数1位はショートムービーアプリ「TikTok」、消費支出額1位は電子マンガ・ノベルサービスの「ピッコマ」に。2023年の調査でアプリダウンロード数1位だった「マイナポータル」は10位に下がり、6位だった「TikTok」がトップに上昇した。
その他、2023年にはランクインしていなかったショッピングアプリ「マツキヨココカラ公式アプリ」や「Temu」がトップ10入りした。消費支出額トップ10では、10個中8個がゲームアプリ、その他の2つは「ピッコマ」「LINEマンガ」となった。
ゲームアプリのインストール数は回復
次に、2024年第1四半期のゲームアプリのインストール数を調査。2023年第4四半期と比較して18%増加し、低い傾向が続いていた2022年~2023年から回復した。
サブカテゴリー別にインストール数とセッション数を分析すると、2024年第1四半期にインストール数とセッション数のどちらも38%増となったアーケードゲームやインストール数40%増・セッション数16%増となったカードゲーム、インストール数36%増・セッション数22%増のシミュレーションゲームが伸長した。インストール数とセッション数ともに、サブカテゴリー内で占める割合が最も高いゲームはパズルゲームだった(インストール数16%、セッション数23%)。
ゲームアプリユーザーの平均アプリ内滞在時間を調べると、2024年は27.37分だった。その中で、シミュレーションゲームは26.63分から40.56分と最も増加が見られた。
ファイナンスアプリへの消費支出額は数年間で大幅増加
続いて、ファイナンスアプリについて見ると、2023年のインストール数は前年比27%増、セッション数は前年比22%増となった。セッション数は、2024年第1四半期にはさらに11%増加した。
日本でのファイナンスアプリのLTVは、グローバルと米国のベンチマークの両方を大きく上回る結果に。インストール当日にLTVは3.23ドルを達成し、世界の中央値のほぼ2倍となった。また最初の月の終わりまでに、日本ユーザーの累積LTVは14.16ドルに上昇し、世界の中央値の7.88ドルを上回った。
ファイナンスアプリへの消費支出額は過去数年間で大幅に増加し、2023年には前年比38%増の3,370万ドルに達した。2024年第1四半期と2023年第4四半期には53%増加し、大きな伸びが見られた。
Eコマースアプリへのセッション数、消費支出額も上昇
Eコマースアプリについては、2022年から2023年にかけてセッション数が4%増加し、2024年第1四半期にはさらに2%増加。アプリインストール後30日目の継続率は9%増を記録した。
日本におけるLTVは世界の数値を上回る結果となり、インストール初日には2.96ドルとなり、世界の中央値の2.24ドルや米国の中央値である1.73ドルを上回った。
日本のEコマースアプリへの消費支出額は、2023年第1四半期から2024年第1四半期の前年同期比は28.4%増という結果に。また、2024年第1四半期は2023年第4四半期を15%上回った。
この他、コネクテッドTVが成長を遂げており、調査対象企業の24%がコネクテッドTVによる収益が2024年までに60~80%を占めると見込んでいる。
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