人の動き=無意識下の行動パターン
──企業が位置情報の活用を考えたときにまず意識するとよいポイントはありますか?
位置情報=その場所に来たときのプッシュ配信または、来たかどうかの履歴だけと考えると視野が狭くなってしまいます。位置情報や人流データとは人の無意識下の行動パターンであり、アフィニティーが現れるものだと考えていただくと、活用の幅が広がるかと思います。
──最後に御社は今後、人流データや位置情報を用いてどのような取り組みをしていきたいか教えてください。
データの掛け合わせで言うと、マーケティング分野はもちろん、まちづくりでの活用に注力していきます。たとえば、街の中で人に集まってもらいたい場所や道の整備を行い、回遊を促進することで居住者や来街者の満足度や体験を向上させ、街全体を活性化する場合、あるいは観光集客を促進したい場合、その人流変化の調査やプロモーション施策にも活用されています。社会的にも意味がある取り組みとして推進していきたいと思います。また、データプラットフォーム整備やスマートシティを推進されている地方自治体も多いので、その中で私たちのデータを活用したいという気運も高まっています。
加えて私見ですが、広告が人々の生活を少し豊かにするセレンディピティのある体験につながることの大切さを感じています。行動履歴のような既定路線から導き出すレコメンドだけではなく、様々なデータを掛け合わせてコンテクストを読んだり予兆を掴んだりできるサービスの在り方を考えていきたいです。