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Instagram運用2.0──アルゴリズムに依存しないクロス戦略

分解して考えるInstagram広告 オーガニックと広告のシナジーに導く二つの最適化

「スルーされない=CPCが良い」クリエイティブの作成

 広告がスルーされず、ユーザーの関心を引き続けるためには、以下のポイントを押さえる必要があります。

テンプレートに頼らない

 よくある広告のテンプレートに頼ると、ユーザーにスルーされやすくなります。たとえば、「こんな悩みありませんか?」や「三つの〇〇ができます」といったありきたりなフレーズは、ユーザーにとって目新しさがなく、無意識に無視される可能性が高いです。

驚きや意外性の要素

 ユーザーの注意を引くためには、意外性や驚きの要素を取り入れることが効果的です。たとえば、「え、どういうこと?」とユーザーに思わせるような要素を組み込むことで、興味を引き、クリック率を高められます。ただし、これに固執しすぎると、本来の便益が伝わりにくくなり、ユーザーの行動を促す力が弱まるリスクもあるため、バランスが重要です。

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【クリックすると拡大します】訴求軸を意識したクリエイティブの変更により、CPA(リスト獲得単価)が38,409円→1,263円へ改善した例

 ここで具体的なアプローチの方法として注目しておきたいのが、「オーガニック風のクリエイティブ」です。オーガニック風クリエイティブは、ユーザーにとって機能的または情緒的な便益性が高いため、自然とエンゲージメントを引き出し、Meta(旧Facebook)をはじめとするプラットフォームでも高い効果を発揮します。オーガニック風クリエイティブの特徴と、その効果を最大化するための戦略について解説します。

「オーガニック風」広告で滞在時間を延ばす 最適なフォーマットは?

 オーガニック風クリエイティブとは、広告でありながら、あたかもユーザーが自然に目にするコンテンツのように見えるものです。ユーザーにとって便益性が高いコンテンツとするために、シンプルで見やすく、理解しやすいことが条件となります。ユーザーにとって有益な情報や価値を提供することに焦点を当てた結果、ユーザーの滞在時間が長くなる傾向があります。

メリットはCPM・CPCの低下 オーガニック投稿の転用で効率化

 ユーザーがそのコンテンツに長く留まるほど、Metaなどのプラットフォームは、その広告をより安く、より多くのユーザーに届けようとする傾向があります。つまり、CPM(Cost Per Mille)が下がりやすいのです。特に、ショート動画はユーザーの滞在時間を稼ぎやすく、これによりCPMが大幅に低下する可能性があります。

 さらに、CPMが低下することで、CPC(Cost Per Click)も安くなる傾向にあります。当然、Instagramのアカウント運用の中で生まれたオーガニックのエンゲージメントが高いコンテンツを広告に転用することは理に適った非常に効率的な戦略と言えます。効果をさらに強化できるでしょう。

CTR低下のリスクに打ち勝つ「ショート動画」の活用

 一方で、オーガニック風クリエイティブは、購買への直接的な訴求が弱くなりがちです。これにより、CTR(Click Through Rate)が低下するリスクがあります。ユーザーにとって便益性が高い反面、明確な購買動機を引き出す力が不足していることが原因です。

 しかし、ここで注目すべきはショート動画の特性です。ショート動画は、構成次第で高いCTRを担保できる可能性があります。短い時間の中で、ユーザーの興味を引きつけ、次のアクションを促す力があるため、オーガニック風クリエイティブでも高いCTRを実現できるのです。

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【クリックすると拡大します】「オーガニック風のリールにコメントでチャットボット起動」vs「静止画クリエイティブ」にて、ショート動画クリエティブのCPAが1/7となった事例

 効果的なリール投稿を作成するポイントは本連載の過去記事でも触れていますので、ぜひチェックしてみてください。

 先述の通り、広告パフォーマンスの最大化には、クリエイティブのパフォーマンスだけでなく、導線のパフォーマンスも最適化する必要があります。次は導線のパフォーマンスに必要な「強力な訴求軸」「メッセージの一貫性」を再現するために、押さえておくべきポイントを説明します。

次のページ
導線のパフォーマンスを最大化する「強力な訴求軸」の設定

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この記事の著者

下村 健太(SAKIYOMI)(シモムラ ケンタ)

2020年、学生時に立ち上げ時のSAKIYOMIへ長期インターン生として参画。大学院卒業後、運用代行事業のマネージャーを務め複数者のコンサルティングに従事。運用代行の納品責任者を経て現在、事業責任者を務め、100案件、150名組織の事業開発に携わる(参考:ブログYouTubeチャンネル)。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2024/08/28 08:00 https://markezine.jp/article/detail/46594

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