SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

マーケティングの近未来

Googleは「解体」されてしまうのか?独占禁止法にあたる法律違反の影響を考察

Google検索が圧倒的に優れているわけではない

「証言や証拠を慎重に検討した結果、グーグルは独占企業だという結論に達した」<中略>具体的には、グーグルが、開発者やメーカー側に巨額の契約料を支払い、自社の検索サービスを初期設定とさせたと指摘しています」

引用:NHK「グーグル 日本の独占禁止法にあたる法律違反 米連邦地裁が判決」

 この裁判所の文書によると、Microsoft Bingのほうが「劇的に速かった」という結果を受けて、Googleはその後、社内プロジェクトを立ち上げた。Micorosft Bingに技術的に追いつくように改善に取り組んだ。そして、2021年のAppleが実施した調査では改善されたことが伺える。「MEMORANDUM OPINION」のp115に次のように書かれている。

「In 2021, Apple’s “Aethon” study demonstrated that, as measured by relevance of results, Google is superior to Bing on all search access points (except desktop queries on Safari).<中略> As to users’ overall preferences, Bing outperformed Google on its desktop user interface (for both Safari and Spotlight)」

(意訳:2021年、Appleの"Aethon"という調査では、検索結果の関連性を測定した結果において、Safariのデスクトップ検索クエリ以外では、Googleはすべての検索に関わるアクセスポイントでBingよりも優れていた。一方で、ユーザーの好み全般に関する調査では、SafariとSpotlight上のデスクトップのユーザーインターフェースにおいて、BingのほうがGoogleよりも優れたパフォーマンスを発揮した。)

出典:「MEMORANDUM OPINION」

 この裁判の意見書から「Google検索が圧倒的に優れているわけではない」ことがわかる。歴史的に、Microsoft Bingのほうが優れていたり、Google検索が巻き返したりしてきたということだ。

 そして、最近では、残念ながら、Google検索の品質は悪化しているようで、『「Google検索は死んでいる」という指摘』という記事が出ている。また、ドイツの研究者による一年に及ぶ最新の調査結果でも「Google検索は本当に悪化している」と結論付けた。これは、2024年1月16日付で記事として紹介されている(参照:「Google Search Really Has Gotten Worse, Researchers Find」)。

 ITエンジニアや専門家の間で、Google離れが起こっている。Googleのクオリティ悪化は、経営陣の考え方が変わってしまったことが、主な原因だとみられている。Googleの理念が「ユーザーファースト」から「広告主ファースト」に転換したようなのだ。

「この時すでに、Googleの共同創設者であるラリー・ペイジ氏もセルゲイ・ブリン氏もGoogleを去っており、この時点でGoogle経営陣の考え方が「ユーザー至上主義」から「成長史上主義」に転換した<中略>ラガヴァン氏の検索部門責任者就任が、Googleの理念が「ユーザーファースト」から「広告主ファースト」に転換したことを象徴する出来事だった」

引用:「Google検索の品質悪化はリーダーが変わったことの影響だという指摘」

次のページ
Googleは「解体」されてしまうのか?

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
マーケティングの近未来連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

ヴァイオレット・エヴァーインディゴ(ヴァイオレット・エヴァーインディゴ)

1990年代に米国西海岸に留学し、シリコンバレーで就職。1998年のGoogle誕生に衝撃を受け、ネット広告・デジタルマーケティング領域に職域を転換。2000年代初めに帰国。米国大手IT企業・プラットフォーマーを6社経験。デジタルマーケティングのコンサルティングを生業とする。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2024/09/11 08:00 https://markezine.jp/article/detail/46791

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング