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Googleは「解体」されてしまうのか?独占禁止法にあたる法律違反の影響を考察

Googleは「解体」されてしまうのか?

 ところで、ビル・ゲイツが2019年、CNBCのインタビューで反トラスト法(独占禁止法)訴訟について回顧的にコメントしている。

「There’s no doubt the antitrust lawsuit was bad for Microsoft, and we would have been more focused on creating the phone operating system, and so instead of using Android today, you would be using Windows Mobile if it hadn’t been for the antitrust case」

(意訳:マイクロソフトにとって、反トラスト法訴訟は悪影響を及ぼした。疑う余地はない。もし訴訟がなければ、スマホのOS開発にもっと力を注ぐことができただろうし、もし訴訟がなければ、あなた方が現在、Androidを使っていることはなかった。Windows Mobileを使っていただろう。)

出典:「Bill Gates: If antitrust case hadn’t happened, Microsoft would have built a phone operating system」

 これは、反トラスト法訴訟で「散々な目に遭ったよ」というビル・ゲイツのボヤキに聞こえる。そして、今後10年後、あるいは、20年後に、Googleの共同創業者ラリー・ペイジやセルゲイ・ブリンが、同じようにインタビューに答えて発言することになる。「あのとき、もし反トラスト法訴訟で敗訴しなかったら、あなた方はChatGPTやCopilotではなくて、Geminiを使っていただろう」と。そんなボヤキ文句を既に用意しているに違いない。

 今回の敗訴でわかった。Googleは技術力不足を補うために、Appleをはじめとして開発者やメーカー側に巨額の契約料を支払っていた。その事実が独占禁止法違反だと判断された。世界一のIT企業だと思っていたし、検索技術では圧倒的な1位だと思っていた。だが、それは間違いだった。技術でユーザーを魅了してきたのではなかった。お金を使って市場を支配し、ユーザーを維持していた。はっきり言って、なんてカッコ悪い会社だろうか。プライドはないのか。残念でならない。

 そして、Googleは、信頼を失った。この影響は大きい。Microsoftが独占禁止法で失墜したように、Googleも失墜していく。米国司法省は「解体」も要求している。厳しくて長い争いが続くだろう。

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この記事の著者

ヴァイオレット・エヴァーインディゴ(ヴァイオレット・エヴァーインディゴ)

1990年代に米国西海岸に留学し、シリコンバレーで就職。1998年のGoogle誕生に衝撃を受け、ネット広告・デジタルマーケティング領域に職域を転換。2000年代初めに帰国。米国大手IT企業・プラットフォーマーを6社経験。デジタルマーケティングのコンサルティングを生業とする。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2024/09/11 08:00 https://markezine.jp/article/detail/46791

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