アンケートにとどまらない「CREATIVE SURVEY」の魅力
クリエイティブサーベイ社は約10年、社名と同じプロダクト名の「CREATIVE SURVEY」を提供し、企業が顧客体験を構築するためのコミュニケーションインフラとして活用されることを目指してきた。
しかし、2023年に同社にジョインした代表の石野氏は、社員がCREATIVE SURVEYを「これはアンケートツールです」と口を揃えて紹介することに違和感を覚えたという。なぜなら、石野氏は入社を検討する過程で、クリエイティブサーベイ社について調べる中で気づいたことがあった。
「興味深いことに、CREATIVE SURVEYは非常に幅広い業種や業界で、かなり多様な使い方をされていました。また、実際に集計してみると、顧客の4社に1社がプライム上場企業のお客様であり、BtoBにもBtoCにも偏りのない属性となっていることがわかりました」(石野氏)
さらに石野氏は独自に同ツールが顧客に選ばれていた理由を知人に聞くことにした。すると次の姿が見えてきたという。
「BtoC企業の場合、大規模なトランザクションにも耐えられ、ブランドや顧客体験を損なわないデザインや体験構築ができるというCREATIVE SURVEYの特長が支持されていました。BtoB企業が使用するにあたっては、インタラクティブなフォームを構築できる点やSalesforceをはじめとした外部サービス連携が非常に高く評価されていました」(石野氏)
フォームのインタラクティブさ、自由度の高いデザイン、柔軟な外部サービス連携、サポート支援体制およびセキュリティ対応も顧客から選ばれる理由になっていたと述べる。クリエイティブサーベイ社への入社前に顧客や従業員の協力を得て把握していた石野氏は、CREATIVE SURVEYはアンケートツールではない、という持論を持つに至った。
「CREATIVE SURVEYのユースケースのクリエイティブレベルが非常に高かったのです」(石野氏)
たとえば、社内のeラーニングツールや、経費精算にも使用している企業がある。また、Salesforceの入力インターフェイスとして活用している例もあれば、博物館では展示物に使用しているそうだ。
「本当に数えきれないくらい、業種業界問わずいろいろなユースケースが存在していた」と石野氏は振り返る。
それらの事例紹介には、いずれも使用目的にアンケートと書かれていたものの、石野氏はアンケートとは似て非なるものという視点で捉えた。もし、「CREATIVE SURVEYはアンケートツールではない」という考えが正しければ、プロダクトとマーケティングさえ磨けば、もっと幅広い企業に使ってもらえるに違いない。
そう考えた石野氏は、同社のインターフェイスとしての可能性に強い興味を持ち、入社へと至ったのだという。
本当の提供価値を全社員で探る
石野氏は入社後すぐに、1ヵ月後までに社員全員での顧客訪問インタビューを提案した。具体的には、社員を10チームに分け「来月から、チームで顧客インタビューに出かけてください」と依頼をかけたという。
「インタビューを行った理由は、社員が顧客と向き合い、自分たちはアンケートツールを提供しているという思い込みにとらわれずに提供価値について考えてもらうためでした」(石野氏)
理由をつけて行かないという人が出ないよう、組織のベクトルを合わせるために役職を問わずにインターンや業務委託のメンバーも含めた全員がインタビューに出かけることにしたという。また、顧客訪問インタビューでは、「誰が」「何を」「どのように」使い、価値を感じ続けてているのかを聞くように提案した。
「我々はSaaS企業ですから、価値とは何か?を考えるとツールの機能面に関する話をしたくなります。しかし、そうではないのです。お客様には企業として成長するために解決すべき課題があります。それらを解決する何らかの役に立っているから、使い続けられている。差別化された提供価値が何なのかを探求するためにも、各社の課題解決に弊社の提供サービスが具体的にどのように役に立っているかを把握する必要があります」(石野氏)
豊かなユースケースへの気づき
実際に全社員で顧客訪問をしてみた結果、「ものすごくいいことがあった」と石野氏は語る。
「CREATIVE SURVEYを使い続けている企業は、導入時こそアンケートとして使っていたものの、その先には想像もつかないほど豊かなユースケースが広がっていたのです」(石野氏)
これほど多彩なユースケースがある製品を「アンケートツール」と呼び続けてもアンケートを探している方にしか見つけてもらえない。そう考えクリエイティブサーベイ社は、まずは自分たちが定義しているカテゴリー自体を変えることにした。オンライン・オフライン、社内外のあらゆる顧客接点で使える汎用的かつ柔軟なデータ入力インターフェイスであることにフォーカスした結果が、現在の「マルチチャネルフォーム」というカテゴリーだ。
「SaaS企業が提供するツールはデータ入力インターフェイスとデータベースのセットです。企業の多くはデータベースに重きを置いていますが、我々はインターフェイス領域に徹底的にこだわることにしました」(石野氏)
石野氏によれば、現在マルチチャネルフォームを「3つの製品が1つになった」製品として定義しているという。1つ目がインタラクティブなフォーム。2つ目に、外部サービスとリアルタイムに双方向のデータ連携ができるコネクタ機能。3つ目が、生成AIを初めとする最新技術が使用できるインターフェイス。これらが1つになった製品をマルチチャネルフォームとして再定義した。
加えて、製品の販売戦略として、市場セグメントごとにユースケースを束ねてマルチブランド化する方針を定めた。
Sansanの技術を実装したBtoB向け新サービス「Ask One」
石野氏によると、現在はコロナ以前と比べ、より限られたリソースで持続的な成果を上げることが求められているという。だが、昨年12月に実施した自社調査「BtoBセールス&マーケティング実態調査」によれば、受注に至るまで”投資対効果を計測している割合は26%にとどまっている。
また、5つ以上のサービスを導入した企業の「その後の課題」について調べた結果、「データの分断」と「人力での作業」で困っている企業がいずれも過半数にのぼることがわかった。この結果はグローバルにおいても変わらず、導入数が増えるほど困りごとが増加する傾向があると石野氏はいう。
「調査結果を見て、これこそ我々が解決できる課題なのではないかと考えました。そこで新たに立ち上げることになったのが、SansanのAI技術を搭載した新サービスでした」(石野氏)
クリエイティブサーベイ社は、2023年3月よりSansanの連結子会社となっている。グループシナジーを活かすべくSansan独自の紙の情報を正確にデータ化するAI-OCR技術を実装したブランドとして「Ask One」を開発した。
「Ask Oneは、企業の持続的成長に欠かせない『キャンペーンマネジメント』、『テクノロジーマネジメント』、『エクスペリエンスマネジメント』の3つの課題を解決できるのが特徴です。これにより、あらゆる顧客接点で営業機会を逃がさないサービスとなっています」(石野氏)
あらゆる顧客接点で営業機会を逃さない「Ask One」
Ask Oneは、“あらゆる顧客接点で営業機会を逃さない”をコンセプトに、社内外のあらゆる顧客接点における入力インターフェースを統合するマルチチャネルフォームです。
当社が培ってきた誰でも簡単に作成できるインタラクティブなフォーム機能や、Salesforceをはじめとした柔軟な外部サービス連携機能を基に、Sansanの名刺情報を高精度でデータ化する技術を搭載することで、BtoB企業におけるあらゆるタッチポイントで営業機会を逃さず商談化率・受注率・契約継続率を向上します。
全社員で定めたミッション「顧客の声を機会に変える」
今年3月にローンチされたばかりのサービスAsk One。わずか半年という短期間で既に複数のクライアント企業が導入。さらに、各社に「使い倒してもらっている」という。
「あくまでも顧客起点で進めていったことが功を奏したと考えています。ターゲットをBtoB市場に定め、その中でもイノベーター的存在の企業にコアターゲットを絞る。全社員カスタマーサクセスに注力しお客様に使い倒していただくことで、様々なユースケースが生まれます。そして、事例を多くの方々に知っていただくことに注力しました」(石野氏)
具体的には、先行導入企業を有償で募集し、自社のリソースをカスタマーサクセスへと「全振り」した。そうすることで、迅速なユースケースの確立につながったのだという。また、同時に毎週必ずSNSやプレスリリースなどの発信をし続けることで、狭い市場の認知を効率的に高められたのだと石野氏は述べる。
これまでとは異なる市場セグメントの顧客層からアプローチが生まれ、独自の市場ポジションの確立につながっていくのだという。
「さらには“営業もプロダクト開発も全員でやろう”と決め、昨年10月に幕張メッセで行われた展示会では、3日間かけて全社員が参加しました。実際、お客様とプロダクト開発の距離が近づくいたことで、全社員の顧客解像度が飛躍的に高まっています。全社員がバックログを閲覧し、フィードバックする体制を築いたことで、必要最小限の開発ができるようになりました」(石野氏)
お客様の声やユースケースを知ることは、「企業としての成長」を実感することにつながると石野氏は語る。AskOneの拡大を通じてそのことを学んだ同社の社員は、次は全員でミッションやバリューを設定することにチャレンジしたという。そうして生まれたミッションが「顧客の声を機会に変える」だ。まさに、今のクリエイティブサーベイ社を象徴するようなワードといえるだろう。
あらゆる顧客接点で営業機会を逃さない「Ask One」
Ask Oneは、“あらゆる顧客接点で営業機会を逃さない”をコンセプトに、社内外のあらゆる顧客接点における入力インターフェースを統合するマルチチャネルフォームです。
当社が培ってきた誰でも簡単に作成できるインタラクティブなフォーム機能や、Salesforceをはじめとした柔軟な外部サービス連携機能を基に、Sansanの名刺情報を高精度でデータ化する技術を搭載することで、BtoB企業におけるあらゆるタッチポイントで営業機会を逃さず商談化率・受注率・契約継続率を向上します。