SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

MarkeZine Day 2024 Autumn(AD)

失敗しない値上げの方法は?プライシングスタジオとノウンズが語る、データに基づいた値付けの基本

顧客が知覚している価値に沿った価格帯を分析する「PSM分析」とは何か

 また、顧客の知覚価値に沿って価格を決める際に、手軽にできる方法として「PSM分析」がある。同分析手法は顧客に価格についての4つの質問を行うもので、10年以上前からグローバルで使われてきた。

クリック/タップで拡大
(クリック/タップで拡大)

 3つ目の質問「これ以上高いと検討に乗らない金額」、4つ目の質問「これ以上安いと品質や効果に不安を感じる金額」が顧客に購入を検討してもらえる価格帯となる。

 たとえば、100人に同じ質問をして、価格を1万円にしたときには100人中何人の購入検討可能な価格帯になっているのかをプロットしていくと、顧客数推計ができる。そこに単価をかければ、売上の推計も簡単にシミュレーションしていけるのだ。

クリック/タップで拡大
(クリック/タップで拡大)

 ただ、顧客の属性ごとに購入検討範囲となる金額は違うため、それぞれの傾向差も調べていくことも忘れてはいけない。たとえば下図では、DとEは支払い意欲が低く、AとB、Gの支払い意欲が高いことがわかる。メインターゲットをA、B、Gとするならば、そこを対象に先ほどの顧客数推計のシミュレーションを行ってみるといい。こうして顧客属性別にシミュレーションしていくことで、いかほどの価格帯であれば受け入れられるのかがわかり、値上げの意思決定リスクを減らせるのだ。

 「マクドナルドがPSM分析をやっているかはわかりませんが」と前置きした上で、高橋氏は独自にビックマックを対象に実施したところ、通常店では450円、都心店では500円を超えると顧客が購入を許容する価格帯を離れていくことがわかったという。「実際にマクドナルドではこの調査結果に適合した値付けがされていて、地域に合わせてギリギリの値上げを行っていることが伺えた」と高橋氏は続けた。

クリック/タップで拡大
(クリック/タップで拡大)

「顧客属性ごとに異なる支払い意欲を明確にし、価格や施策に活用するのが重要です。たとえばディズニーリゾートの例では、子どものいる家族は人数が多くチケット代がかさんで支払い意欲が低くなることに対しては、小学生以下は入場料を半額にするといった属性に沿ったプライシング戦略をつくっています。それにより、客数と売上の損失をなくすようにしているのでしょう」(高橋氏)

クリック/タップで拡大
(クリック/タップで拡大)

失敗しない価格決めをするために

 PSM分析は4つの質問に答えてもらうだけではあるが、自社で属性の分析も行い、それを元に適正な値上げ価格を導き出すのは難しいこともあるだろう。そこをコンサルティング会社や調査会社に依頼をすると、かなりの予算が必要になる。

 そこでプライシングスタジオとノウンズは協業し、PSM分析を30万円から依頼でき、10営業日という速さで納品するサービス「価格クイックリサーチ」を提供している。

クリック/タップで拡大
(クリック/タップで拡大)

「PMS分析を自社で実施するので、ノウンズで調査だけ依頼をしたいという相談をいただくことがあります。しかし見ていると、そこから実際の価格を決めるためには様々な要素も考慮しなければならず、プロのノウハウがないと難しそうだという印象でした。当社では価格クイックリサーチにアンケートのサプライを提供しますが、これだけ価格を抑えて迅速に分析できるのは、すごく良いサービスではないかと思っています」(田中氏)

 今は値上げをせざるを得ない時代になっているが、「しっかりデータを活用・分析することで、失敗しない価格決めをしていくことが大事だと思います」と田中氏は語り、同セッションを締めくくった。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
MarkeZine Day 2024 Autumn連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

平田 順子(ヒラタ ジュンコ)

フリーランスのライター・編集者。大学生時代より雑誌連載をスタートし、音楽誌やカルチャー誌などで執筆。2000年に書籍『ナゴムの話』(太田出版刊)を上梓。音楽誌『FLOOR net』編集部勤務ののちWeb制作を学び、2005年よりWebデザイン・マーケティング誌『Web Designing』の編集を行う。2008年よ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:ノウンズ株式会社

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2024/10/29 11:00 https://markezine.jp/article/detail/47080

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング