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田中洋が紐解く、ビジネス成功のキーファクター

晴れ風が失敗したら辞めるつもりだった。キリンビール副社長 山形光晴氏が明かす、マーケティング改革

 ブランド戦略論の第一人者であり、中央大学名誉教授でもある田中洋氏による本連載。第11回は、キリンホールディングス 常務執行役員の山形光晴氏との対談を実施しました。P&G出身の山形氏は、「顧客志向」のカルチャーをどのようにキリンに根付かせてきたのか? 前編では「晴れ風」の成功を例に、キリンビールのマーケティング改革についてお話しいただきました。

次の時代のキリンビールを懸けて開発した「晴れ風」

田中:本日は、お忙しいところありがとうございます。山形さんには5年ぐらい前にも一度インタビューさせていただいたことがありますが、お話しするのはそれ以来ですね。山形さんがキリンに入られてから、もうどのくらい経つでしょうか?

山形:キリンビバレッジに入社したのが2015年の秋で、その後キリンビールに異動したので、キリンに来てからもう来年で10年になりますね。

キリンホールディングス株式会社 常務執行役員 ブランド戦略・マーケティング戦略・デジタル・情報戦略担当/</br>キリンビール株式会社 副社長執行役員(マーケティング管掌) 山形光晴氏
キリンホールディングス株式会社 常務執行役員 ブランド戦略、マーケティング戦略、デジタル・情報戦略担当
キリンビール株式会社 副社長執行役員(マーケティング管掌) 山形光晴氏

田中:なんと、もうそんなに経ちますか。割と最近だったように思いますが、時間が経つのは早いですね。今日は「CMOの役割」について伺おうと思って来たのですが、まずは最近のキリンビールの話題から入っていきましょう。

 キリンビールと言えば、直近では、やはり「晴れ風」の大ヒットが印象的です。キャンペーンが始まった頃、「これは相当気合いが入っているな」と感じていました。

山形:ありがとうございます。「晴れ風」は、次の時代の新たなブランドポートフォリオを作るのだという意気込みで開発しました。これが失敗したら私も辞める覚悟でしたから、背水の陣だったとも言えます。

田中:そうだったのですね。山形さんは、晴れ風が成功した要因をどのように考えられていますか?

山形:晴れ風のプロジェクトは、従来のキリンビールにおけるマーケティング手法とは大きく異なる形で進めてきました。もちろん、伝統的な商品開発のプロセスは踏みましたが、「お客様はどういうビールを欲しいと思っているのか」「お金を払っても買いたいと思う製品とはどのようなものか」など、より手前の部分から徹底的に考え抜いたことが、やはり大きかったように思います。

 また、キリングループは、CSV経営を標榜しています。社会に価値をもたらし、社会課題を解決していくことも重要な要素とし、「キリンビールとして掲げる次のビールブランドとは?」という命題をテーブルに置いて、みんなで一緒に創り上げたのが「晴れ風」です。

キリンビールが17年ぶりに開発したスタンダードビールの新ブランド「キリンビール 晴れ風」
キリンビールが17年ぶりに開発したスタンダードビールの新ブランド「キリンビール 晴れ風」
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この記事の著者

田中 洋(タナカ ヒロシ)

中央大学名誉教授。京都大学博士(経済学)。マーケティング論専攻。電通で21年実務を経験したのち、法政大学経営学部教授、コロンビア大学客員研究員、中央大学大学院ビジネススクール教授などを経て現職。日本マーケティング学会会長、日本消費者行動研究学会会長を歴任。『ブランド戦略論』(2017年、有斐閣)など20冊の著書と9...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2024/11/15 09:30 https://markezine.jp/article/detail/47088

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