ホームケアの空白市場をオンライン特化で切り拓く
――最初にイロップが提供している商品・サービスについて教えてください。
高橋:イロップでは、100年以上にわたりヘアカラーの研究・開発を続けていたホーユーの技術開発力とパーソナライズ診断を組み合わせた、パーソナルカラーケアブランド「irop」を提供しています。
――なぜiropというサービスが生まれたのでしょうか。
高橋:当時コロナ禍をきっかけに、市場的にはホームケアが成長を見せていました。
ヘアカラーは、ホーユーが扱っているような商品を使って自宅でカラーをするか、ヘアサロンでカラーするかの2択です。そして、この中で空白になっていたのが、ヘアサロンでカラーをした後、次にサロンに行くまでのカラーケアでした。ここに目を付けた我々は、ヘアカラーのホームケアを提案する商品作りに取り組んでいました。
また、このプロジェクトではオンラインを中心とした販売を目指していました。ホーユーの商品の約99%は店頭で購入されており、デジタルマーケティングに関する知見がまだまだ蓄積できていませんでした。今後新たなビジネスモデルを立ち上げる目的もあり、イロップを立ち上げました。
ヘアケアの「わからない」をパーソナライズで解決
――iropの特徴は髪色ケア診断によるパーソナライズにあると思いますが、パーソナライズに目を付けたのはなぜでしょうか。
加藤:ヘアサロンでカラーした後、次にサロンでカラーをするまでに自身でケアすることの認知・普及はまだまだ進んでいません。調査やインタビューでも「何を選べばよいかわからない」「知っているが始められない」など、ホームケアに関する様々な課題が浮き彫りになってきました。
この課題を埋めるために最適だったのがパーソナライズでした。髪色や色落ちに関する悩みは、個人によって異なるので、ご自身でお悩みに答えていただくことで、最適なヘアカラーケアの習慣を提案できると考えました。
――続いて、iropのターゲットについて教えてください。
加藤:メインターゲットは20代から30代の髪をカラーする頻度が高い女性です。iropは明るくて派手なハイトーンの髪色だけでなく、茶色などベーシックな色でも対応できる特徴があるので、ターゲットゾーンは広く設定しています。