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MarkeZine Day 2024 Focus

物価上昇で生活者の購買行動はどう変わった?「慎重購買型」「直感購買型」2つの消費スタイルの変化を読む


 日本で物価上昇・値上げが続き、もはや物価が高い状態が当たり前になりつつある。依然として財布の紐が堅い人、節約に疲れ始めた人、自己投資にお金を使う人など、生活者のライフステージや価値観によって変化の度合いは異なる。このように多様化する生活者の購買行動を、マーケターはどのように掴むべきか。5万人を超える生活者の買い物データを収集するインテージでは、意識調査結果も踏まえて、107項目の価値観スコアを独自に算出。同社の榎本裕氏は、MarkeZine Day 2024 Focusにおいて、「慎重購買型」「直感購買型」という2つの消費スタイルについて紹介し、マーケティングに使えるヒントを示した。

3年間で8%の物価上昇。生活者の動きは?

 インテージの榎本裕氏は初めに、値上げを取り巻く市場と生活者の状況を解説した。

インテージ データマネジメント事業本部 企画推進部 榎本裕氏
インテージ データマネジメント事業本部 企画推進部 榎本裕氏
 2022年以降3年弱にわたり、物価高の状況が続いていると語る。総務省が発表する「消費者物価指数」のデータによれば、2020年を基準とした場合、2024年には約8%物価が上昇しているという。
総務省発表の「消費者物価指数」をグラフ化
総務省発表の「消費者物価指数」をグラフ化。各品目の値上げ幅は、平均単価の前月差
※クリックすると拡大します

 この状況下で、生活者はどのような節約行動を取っているのだろうか。榎本氏は、商品カテゴリーごとにアンケート結果を紹介した。

画像を説明するテキストなくても可
図1
※クリックすると拡大します

 「図1は『安いお店で買う』『まとめ買いをする』など8種類の節約行動の結果を表したグラフです。注目したいのは、『プライベートブランドを買う』という部分。食品系カテゴリーでは、プライベートブランド利用意向が最も高いのは調味料です。続いて『購入を控える』の回答結果を見てみると、飲料や菓子といった嗜好品と呼ばれるカテゴリーは購入の選択肢から外れやすいことがわかります」(榎本氏)

特売時に反応が起こりやすいカテゴリー

 続いて榎本氏は、日用品カテゴリーについても同様のアンケート結果(図2)を紹介。日用品のトイレットペーパーやティッシュペーパーなどの紙製品では、プライベートブランドの利用意向が高い。一方、「購入を控える」の回答結果では、メイクアップ化粧品やスキンケア化粧品など、化粧品カテゴリーの割合が高かった。

画像を説明するテキストなくても可
図2
※クリックすると拡大します

 さらに「特売品を買う」傾向は、紙製品、住居用品、洗剤といった日常生活に欠かせない商品群で、30%程度と高い結果が出ている。「特売を行ったときに生活者が反応しやすいカテゴリーと反応しにくいカテゴリーがここから見えてくる」と榎本氏は分析する。

 また別の調査では、この3年間値上げが続く中で、値上げへの「慣れ」や節約への「疲れ」もうかがえる結果が出ているという。

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価値観や趣味嗜好を軸にデータを収集・分析

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この記事の著者

落合 真彩(オチアイ マアヤ)

教育系企業を経て、2016年よりフリーランスのライターに。Webメディアから紙書籍まで媒体問わず、マーケティング、広報、テクノロジー、経営者インタビューなど、ビジネス領域を中心に幅広く執筆。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/02/05 11:24 https://markezine.jp/article/detail/47452

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