AI活用は従業員のエンゲージメント向上にもつながる
従業員のサポートとしてAIを活用することは、単に“その瞬間のサービスの質が上がる”だけではなく、近年課題となっている従業員エンゲージメントの向上にもつながる。
GALLUP社の調査結果によると、Thriving(≒成功実感があること)は従業員エンゲージメントの向上の要因であることがわかっている。AIの活用により顧客対応の質が向上し、さらにはバックオフィス業務の負担も軽減されて顧客対応により集中できるようになれば、最前線に立つ店舗スタッフにとって顧客の満足度を高められる機会が増える。成功実感につながることは間違いない。
人間としての価値を体現するAI活用にはCDPが不可欠
今回セッションで各企業が述べたことは、米国・海外ならではの視点ではなく、日本の消費者や従業員のニーズ、AI市場の今後の動向にも共通することが多い。さらにインバウンド需要が今後も増えていく中で、日本の店舗体験に「おもてなし」を期待する顧客もまだまだ増えてくるだろう。
様々な文化・価値観・言語を持つ顧客に対応するにあたり、従業員は顧客が求めているものを適切に捉え、適切に寄り添うことの難易度が高くなっていく。だからこそ、難解な顧客の情報を整理し、AIアルゴリズムを活用して、よりわかりやすく直感的に従業員が顧客を理解できるようになれば、どれほど従業員の余裕を生むだろうか。
これから店舗スタッフのサポートツールとしてAIの活用を検討する上では、いかに自社店舗の従業員が人間としての価値を体現できるかが重要になる。そのためには、次の3点がこれまで以上に重要になるだろう。
- ブランドと顧客の関係性を定義し
- 店舗はどのような位置づけであるかを再確認・定義し
- その文化を店舗スタッフと作りあげる環境を用意する(顧客データ基盤=CDPが整っている)
