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MarkeZine Day 2024 Focus

「また行きたくなる」をつくるには?日本ケンタッキー・フライド・チキン流のアプリ活用

 最新のリテール業界事情や先進企業のアプリ戦略を中心に、様々なマーケティングトレンドの最新事例が紹介された「MarkeZine Day 2024 Focus」。中でも注目を集めたのは、顧客とのコミュニケーションチャネルであり、エンゲージメントを高める手段でもあるアプリの活用戦略だ。特に小売業や飲食店などのBtoC分野では、顧客との継続的なタッチポイントとしてアプリをどう活用するかが売上・収益に直結する。日本ケンタッキー・フライド・チキンは、購入モチベーションと顧客体験の向上をアプリで実現している成功企業の一つだ。同社の戦略について、EコマースCRM部の平田雄己氏が講演した。

2012年に公式アプリをリリース

 飲食店や小売店の多くが公式アプリをリリースする昨今。新商品やメニューを通知したり、利用金額に応じたロイヤリティプログラムを設けたり、クーポンを配信して来店を促したり、顧客のエンゲージメントを強化する重要なタッチポイントとなっている。

 そんな公式アプリの活用にいち早く取り組んできたのが、日本ケンタッキー・フライド・チキン(以下、KFC)だ。同社は2012年4月から公式スマホアプリをリリースし、2022年10月時には累計2,300万ダウンロードを達成している。

 KFCは「おいしさ、しあわせ創造」という理念の下に、2024年3月末時点で全国1,232店舗を展開。同店で働く人々を「パートナー」と呼んでおり、現在KFCの直営店舗には約1万2,000人のパートナーが在籍している。フランチャイズ店舗を含めると、パートナーの数はこの何倍にも上るという。

 同社でEコマースCRM部の部長代行を務める平田雄己氏は「私たちはKFCの公式アプリについて、パートナーの方々が一番の応援団になってくれることを期待しています。パートナーから来店するお客様に『このアプリいいですよ、ぜひ使ってください』とお勧めしてもらえる存在になれるよう努力しており、それがアプリ戦略の重要な位置付けになっています」と説明する。

日本ケンタッキー・フライド・チキン EコマースCRM部 部長代行 平田雄己氏
日本ケンタッキー・フライド・チキン EコマースCRM部 部長代行 平田雄己氏

 KFCは以前からデジタル領域に力を入れてきた。特に注力しているのはデジタル販売チャネルの強化だ。数十年以上前から宅配サービスを展開していたが、コロナ禍をきっかけにデリバリー需要が飛躍的に上昇。その時代ニーズに応えるべく、主要デリバリー事業者とのパートナー戦略を広げつつ、自社のデリバリーサービスも拡大してきた。これらの各デリバリーチャネルから受注を取ることもビジネス上の重要な戦略だという。

アプリとWebサイトの体験をあえて同じに

 KFCではデジタル販売チャネルだけでなく、自社アプリやWebサイトについても同じく力を入れている。特にアプリに関しては2024年4月に大規模なリニューアルを実施した。その狙いについて平田氏は次のように話す。

「これまでKFCのアプリといえば、クーポンを使う手段やキャンペーン情報を見るツールという認識が大半でした。そうではなく、購入に即直結するような仕組みに作り変えたのです」(平田氏)

 なぜアプリの機能の中でも購入に焦点を当てたのか。平田氏は「KFCの体験を増やし、お客様のLTVを向上するため」と語る。

 顧客にとってKFCは、数あるファストフードチェーンの中でもやや“異色”の存在だ。イベント感もあるため「KFCを食べる頻度は年に数回」という顧客も少なくない。この回数をどのように増やし、LTVをいかに上げていくかがビジネス戦略における最大のポイントだ。そこで強化したのがアプリだった。

 アプリのリニューアルに合わせ、Webサイトでもアプリと完全に同じサービスを享受できるように改修した。顧客エンゲージメントを強化するには、本来であれば毎日利用するスマホで公式アプリを利用してもらったほうが良いが「アプリは入れすぎると重くなるため敬遠する方もいますし、使い終わったら削除されてしまうこともあります。本音はアプリを入れてほしいのですが、Webサイトでも同様のサービスを受けられますから、アプリをインストールするほどでもない方にはWebを利用していただきたいという思いで機能を改善しました」と平田氏は説明する。

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この記事の著者

岩崎 史絵(イワサキ シエ)

リックテレコム、アットマーク・アイティ(現ITmedia)の編集記者を経てフリーに。最近はマーケティング分野の取材・執筆のほか、一般企業のオウンドメディア企画・編集やPR/広報支援なども行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/03/03 07:30 https://markezine.jp/article/detail/47473

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