2007年はSEM地盤変化の年!?
今や、検索連動型広告は「お得で、手軽な」ネット広告ではなくなりました。SEM市場の急成長に伴い、キーワード単価は高沸。米国では、ネット広告市場全体の40%を検索連動型広告が占め、オンラインマーケティング戦略において重要な役割を担っています。
そんなSEM市場において、2007年は大きな地盤変化が予定されています。2大検索広告プロバイダーのひとつ、オーバーチュアが広告の入札方式の大きな変更を春に予定しているからです。現在、オーバーチュアの入札方式は単純に入札金額によって掲載順位が決まります。新しく導入される入札方式では、Googleのような複雑かつオリジナルな評価基準ができ、掲載順位を上げるのが少々難しくなるのです。
そこで注目されているのが、単なる入札順位だけではなく、ROIのリアルタイム結果に基づきながら入札を自動的に最適化してくれるツールです。今年に入って日本市場への導入が発表されたツールの代表的なものとして、下記3つがあげられます。
これらはどれも検索連動型広告の自動最適化ツールとしてSEM専門家たちの注目を浴びているものですが、特にエンタープライズ向けアクセス解析ツールベンダーであるオムニチュア社が提供する『サーチセンター(SearchCenter)』は、アクセス解析によるユーザー行動のデータとSEMの効果測定データを統合してより深い分析が可能であるのと、三井物産が販売元となる『エフィシエントフロンティア』は、金融工学に基づくキーワード効果の予測と自動最適化によるROIの最大化が期待できるとして、前評判が高いようです。
何を目的として何をゴールとするのか?
インターネットの創世記から、そのリアルタイム性に注目が集まっていましたが、今ほどマーケッターに「リアルタイム」な「情報収集力」と「分析力」、そして「実行力」が求められる時代はないのではないでしょうか? システムが高度化し、優秀なツールも数多く市場に参入しています。しかしながら、最後に勝敗を分けるのは、リアルマーケティングの時代から変わらない「マーケティング戦略」の有無です。何を目的とし、ゴールとするのか。それらの戦略なしには、どんな優秀なシステムであったとしても、魔法のように利益を上げてくれるわけではないことを覚えておいていただきたいと思います。
さて最後になりましたが、『大山忍のちょっと気になる海外マーケティング事情』は今回をもちまして一旦お休みさせえいただきます。いままでご愛読をいただきまして、どうもありがとうございました。