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第109号(2025年1月号)
特集「2024→2025 キーパーソンによる予測と展望」

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人起点の顧客関係構築を考える

1,100万人の健康を支える「あすけん」はユーザーファーストを貫くCRM戦略で生涯の伴走者を目指す

信頼と安心を届けるための徹底した情報管理

――既存ユーザーとの関わり方で、大切にしていることはありますか?

写真左:株式会社 GiftX Co-founder 飯髙悠太氏
写真左:株式会社 GiftX Co-founder 飯髙悠太氏

福井: あすけんは「ユーザーファースト」を徹底しています。栄養士キャラクターの未来さんは、「あなたの今の食事ではダメです」などと決してユーザーさんの食事を否定したり評価したりすることはありません。「次は野菜を多めに摂ってみませんか?」と指示ではなく提案をし、ユーザーさんに常に寄り添う“パートナー”として存在することを大事にしています。

 私たちマーケターも、未来さんと同じスタンスでユーザーさんと接するように心がけています。SNSやイベント、キャンペーンなどでも決して「おすすめします!」と押し付けるのではなく、「いかがですか?」と提案する、それが私たちのスタイルです。

天辰: ヘルスケアサービスだからこそ、ユーザーさんの健康を第一に考え「これはやらない」という線引きを明確にしています。たとえば、あすけんでは目標体重を設定できますが、BMI18.5未満は設定できないように制限しています。これは、ユーザーさんが不健康な目標を設定してしまうことを防ぐためです。モデル体型を目指したいというユーザーさんの声もありますが、健康を損なう可能性のある目標設定は推奨していません。

――ユーザーの健康を第一に考えているからこその配慮ですね。

福井: 情報発信の際には、エビデンスに基づいた正確な情報を提供することに細心の注意を払っています。管理栄養士が監修したレシピやコラム記事はもちろんのこと、過去のコンテンツについても“定期検診”をして、情報のアップデートを欠かさないようにしています。

あらゆるライフステージの健康をサポートしていく

――今後、askenさんが目指す姿や、実現したい世界について教えてください。

福井:あすけんは、「ダイエットのために数カ月間だけ使うアプリ」ではなく、あらゆるライフステージのユーザーさんに寄り添い「一生涯、健康であり続けるためのライフログ」として使い続けてもらうことを目指しています。もちろん、あすけんだけでできることには限界があります。様々な企業さんとタッグを組みながら、より多くの人に「食生活を改善することの楽しさ」を伝え、健康的な社会の実現に貢献していきたいです。

天辰: これまでの「若い女性向けのダイエットアプリ」のイメージから、男性や幅広い年齢層にアプローチするべく、筋トレのための食事管理コースや、妊娠・授乳期の栄養管理コースなどを提供してきました。今後は「健康無関心層」へも声を届けていくために、企業の健康経営や特定保健指導を支援する法人向けサービス、糖尿病などの疾患を持つ方向けの治療用アプリ開発といった医療事業にもより力を入れていきます。

 また、あすけんオリジナルの茶碗やサラダボウル、体組成計などを販売するECサイトを2024年8月にグランドオープンし、2025年1月には食品販売も開始しました。アプリとリアルを組み合わせることで、askenの世界観をさらに広げていきたいと考えています。

編集後記(飯髙悠太)

 現在あすけんは1,100万人が利用する、「記録した食事や運動から、管理栄養士が監修した、自身に合ったアドバイスが受けられる食事管理アプリ」に成長している。今回はasken取締役の天辰次郎さんと同コンシューマー事業本部本部長の福井千尋さんに話を伺った。

 サービスリリース当初の2008年段階には普及に苦戦をしたが、2013年のスマートフォンアプリリリースの時には、ダイエットを目的とした20-30代女性を中心に会員数が増加。

 その背景にはユーザーファーストを貫くCRM戦略が大きく寄与していると感じた。たとえば、多くのユーザが食べた記録でなく、事前に食事内容を入力し高得点になるよう調整してから食事を用意することに気づき機能として追加したり、どうしたら継続的に記録してくれるかを分析しユーザーに寄り添った提案をしている。また、コンテンツマーケ・SNS活用・書籍出版においても、ユーザーが求めているコンテンツは何かを考えた上で、展開している。

 そういったユーザー視点を貫いてきたことで、リアルイベントでは熱量の高いユーザーが1,300人集まり、出展企業も、ユーザーの知識の抱負さに驚かされたほどだ。

 ただ、ユーザーファーストが大事な中でも、事業成長においてのKPIは重要だ。あすけんは徹底した管理で達成してきている。また今の時代はプラットフォームが多様化し、部分最適で評価をすることが難しいことを理解し、全体最適で評価をしている点も素晴らしいと感じた。なぜなら、仮説で評価しなければならない点も多いからだ。

 今後は、ダイエットアプリから、あらゆるライフステージのユーザーに寄り添い「一生涯、健康であり続けるためのライフログ」を目指していく、あすけんの動きに期待をし注目していきたい。


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この記事の著者

飯髙 悠太(イイタカ ユウタ)

株式会社ベーシック執行役員、株式会社ホットリンク執行役員CMOを経て2022年6月に「ひとの温かみを宿した進化を。」をテーマに株式会社GiftXを創業し、「おもいが伝わる。ほしいを贈れる」選び直せるソーシャルギフト「GIFTFUL」運営。現在、企業のアドバイザーやマーケテ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

堤 美佳子(ツツミ ミカコ)

ライター・編集者・記者。1993年愛媛県生まれ。横浜国立大学卒業後、新聞社、出版社を経てフリーランスとして独立。現在はビジネス誌を中心にインタビュー記事などを担当。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/02/07 08:30 https://markezine.jp/article/detail/47824

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