女性30代以上は、気分や感情の恣意的なコントロールに抵抗が
続いて、「気分・感情」についての項目を紹介します。「気分や感情を一定に保ちたい」は、全体で77.4%。先ほどの「脳を休める」「脳のパフォーマンスを高める」よりも、「気分や感情を一定に保つ」ことは概してニーズが高く、中でも女性のニーズが高い傾向がうかがえます。
性年代別に見ると、女性で「そう思う」が高い傾向があり、とりわけ女性30代以上のすべての年代と、男性60代以上では「そう思う(計)」が8割を超えます。
最後に、「気分や感情をコントロールする機能のある商品/サービスに興味がある」という項目です。全体で「そう思う(計)」は42.8%ですが、男性10代、女性10代は、6割超えと特にスコアが高く、年代が上がるごとに低くなっていました。
30代以上のすべての年代の女性に注目すると、前出の「気分や感情を一定に保ちたい」は、8割を超えて高いにも関わらず、こちらの項目は5割以下の水準まで低下します。気分や感情を“コントロールする”という恣意的なアクションへの抵抗がうかがえる結果です。
調査からのファインディングスとマーケティングヒント
今回の調査を通して得られたファインディングスは、大きく次の3つです。
【1】最も脳疲労を感じているのは10代、また最も脳のパフォーマンスを向上させたいと思っているのも10代
♢マーケティングのヒント♢
10代を中心に、脳をリラックスさせつつ、パフォーマンス向上を手助けするサービスや商品や、考えなくても最適解を教えてくれるパーソナライズサービス引き続き商機あり。
アイデア:脳を休めることにより、クリエイティブなアイディアを思いつきやすくなる「デフォルトモードネットワーク」の活用。
例:花王バブ「あふれるのはきっと、お湯だけじゃない」

【2】「脳を休めたい」「気分や感情を一定の状態に保ちたい」というニーズは多くの年代で高いが、「脳のパフォーマンスを高める」「気分や感情をコントロール」という“恣意的なアクション”に興味を持つ(抵抗がない)のは10代
♢マーケティングのヒント♢
CBDだけでなく、アダプトゲン、ヌートロピクスを活用した食品・ドリンクは、今後も10代を中心に若年層に商機があり。
アイディア:様々な“なりたい感情”別の健康素材を活用した食品・飲料
例:オーガニックコールドプレスジュースブランド「So Good So you」

【3】女性30代以上は「気分や感情をコントロールする商品・サービス」への興味は5割以下に下がる。ニーズが高いにも関わらず、恣意的なコントロールへのハードルが見受けられる
♢マーケティングのヒント♢
女性30代以上がハードルを感じにくい「気分や感情をコントロールする商品・サービス」にビジネスチャンス、依存性・副作用がないことなど安全性の訴求が重要に。若者向けというよりも「女性向け」の表現に商機がありそう。
アイディア:女性向けの「気分や感情の安定」にゆっくりとした効果のある食品・飲料(PMS対策・更年期対策など)、香りや成分の活用で気持ちを穏やかにするデバイスや空間
例:仕事を持つ忙しいママが開発したムードブースタードリンク「BALOO」

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【調査概要】
タイトル:電通「心が動く消費調査」
調査目的:変化し続ける社会環境により可視化されにくくなりつつある消費者意識を消費者の欲望視点から分析し、今後の日本の消費社会を読み解く
対象エリア:日本全国
対象者条件:15~74歳
サンプル数:3,000サンプル (15~19歳、20代~60代、70~74歳の人口構成比に応じて割り付け)
調査手法:インターネット調査
調査期間:2021年5月~2024年11月、計9回実施
調査機関:電通マクロミルインサイト
