博報堂のシンクタンクである博報堂買物研究所は、「買物フォーキャスト2025」として、AIエージェントと共に進化する新しい購買行動モデル「DREAM」を発表した。これは、AIエージェントの普及にともなう、リアルタイムでパーソナライズされた購買体験を体系化したものだ。
同モデルの構築にあたっては、技術や社会トレンドに関する93の未来事象を収集・分析し、生成AIを活用して多様な価値観を持つバーチャル生活者を作成。それらへのインタビューを通じて購買行動の共通点を見出した。「DREAM」は以下の5つのプロセスで構成される。
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Dialogue(対話)
生活者がAIエージェントとの対話を通じて好みや価値観を共有。AIは対話から潜在的なニーズを発見し、パーソナライズされた提案を行う。 -
Recommended(推奨)
AIエージェントが価値観やニーズに沿った選択肢を提案。生活者は、提示された選択肢を基に最適な選択を行う。 -
Experience(体験)
リアルな商品試用に加え、バーチャルリアリティ(VR)や各超現実(AR)による拡張された、購買体験が可能となる。今後、技術進化により、触覚や嗅覚といった視聴覚以外の感覚域でも高精度化が進めば、生活シーンとの適合性をイメージしやすくなる。 -
Assurance(確信)
リアルとバーチャルの試用体験を経て、商品の適合性を多角的に検証し購入を決定する。 -
Management(管理)
AIエージェントを通じて購入商品の使用方法の確認やメンテナンスも可能になる。使用履歴や感想をAIエージェントに共有することで、さらなるパーソナライズを実現する。
同研究所は、同モデルにあわせて近未来に起こり得る変化を予測。商品の探し方は「検索」から「対話」へ、選択は「自分で決める」から「AIエージェントと決める」へと購買行動が変化。商品試用は「リアル」と「バーチャル」の融合へと進化し、購入後のフィードバックもAIエージェントを通じて、より多くの顧客の声が反映される仕組みへと変わるとしている。
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