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MarkeZine Day 2025 Spring

キーワードは「計画的セレンディピティ」 オンラインのたまり場から若者のコミュニケーションを捉える

「質問箱」「BeReal.」には発信の口実がある

 パラレルのインターン生(20歳)に道下氏が話を聞いたところ、やはり先に挙げた3点と同様のインサイトが見られたそうだ。友人に自分のことを知ってもらいたい気持ちや、相手のことを知りたい気持ちはあるものの、LINEなどのメッセンジャーアプリで1対1のコミュニケーションをとることに心理的なコストを感じるため、SNSでのやりとりが中心になっているという。

「コストをかけたくない理由は『この話を相手は本当に聞きたいのかな?』『こんなことを聞いて相手は迷惑じゃないかな?』という不安にあります。相手に回答や返信のプレッシャーを与えたくない、そして自身の問いかけを無視されたくない。そんな思いから自然とつながる口実、つまり計画的セレンディピティが生まれているのです」(道下氏)

 道下氏によると、計画的セレンディピティは様々な場面で見られる。たとえば、Instagramのストーリーズの投稿に使える質問箱アプリ。「機械がランダムに選んだ質問に回答する」という体裁を通して、友人に自身のことを知ってもらうことができる。また、若年層を中心に利用が拡大している新興SNS「BeReal.」では「2分以内に投稿しなければならない」というルールが発信の口実になっている。

ゲームはトピック生成ハードルが低い

 「パラレルの場合は、ゲームが交流の大義名分になっている」と道下氏。また、ゲームはトピック生成ハードルが低いコンテンツであることにも触れる。

「Instagramに何かを投稿する際は『何を載せよう』『どんなテキストを添えよう』と考えるカロリーが発生しますが、パラレルではゲームをプレイし始めると友人にその旨が通知されるため、自身が暇であることを友人にさりげなくアピールできるのです。また、ゲームをきっかけに友人同士で集まった際は、音声通話の機能を通して密度の高いコミュニケーションをとることができます。友人同士が集まるハードルを“偶然の装い”によっていかにさりげなく下げられるか。ここが今の若年層のコミュニケーションにおいては重要なのだと感じます」(道下氏)

 計画的セレンディピティを若年層向けのマーケティングに活用する方法はあるのだろうか。道下氏は「コミュニケーションの“フリ”や口実になるようなネタを企業側が意識して設計すると、話題が生まれやすくなる」と説明。ブランドの世界観をゲームに落とし込むことで、広告色を排除しながら若年ユーザーに“さりげなく”アプローチできる「パラレル for ブランド」を紹介し、ミニセミナーを締めくくった。

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この記事の著者

渡辺 佳奈(編集部)(ワタナベ カナ)

1991年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部を2013年に卒業後、翔泳社に新卒として入社。約5年間、Webメディアの広告営業に従事したのち退職。故郷である神戸に戻り、コーヒーショップで働く傍らライターとして活動。2021年に翔泳社へ再入社し、MarkeZine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/04/25 09:00 https://markezine.jp/article/detail/48563

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