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独自のモデルでトライアル数を140%増加!顧客の"不"を解消するトヨクモ流BtoBマーケティング

 「安否確認サービス2」や「kintone連携サービス」、「トヨクモ スケジューラー」など、業務効率化を支援するクラウドサービスを提供しているトヨクモは、売上高成長率125%、サービスの解約率は0.7%と好調を維持している。多くのBtoB企業が「THE MODEL」型のマーケティングを採用する中、トヨクモはなぜ、顧客起点のマーケティングを貫き、これほどの成果を上げているのだろうか。今回は同社のマーケティングを担当している中井氏と坂田氏に、その独自のマーケティング戦術、並びに特に効果を上げているコンテンツマーケティングについて、具体的な施策と成功の秘訣を聞いた。

なぜ「THE MODEL」ではないのか?顧客の"不"を解消するトヨクモ流BtoBマーケティング

――トヨクモのマーケティング戦略の特徴について教えてください。

中井:一言でいうと、「THE MODELをしない」ことが、私たちのマーケティング戦略の根幹です。顧客起点であること、つまりお客様にとって本当に価値のある情報提供を最優先に考えています。

トヨクモ株式会社 マーケティング本部 プロモーショングループ マネージャー 中井 康喜氏
トヨクモ株式会社 マーケティング本部 プロモーショングループ マネージャー 中井 康喜氏

中井:たとえば、資料請求時に多くの個人情報を入力させたり、展示会で名刺交換した後に一方的な営業電話やメールマガジンを送りつけたりといった、企業側の都合を優先したマーケティングは、お客様にとってストレスでしかありません。

 こうした考えからトヨクモは、あえてTHE MODEL型のマーケティングを採用していません。

 具体的には、マーケティングチームがブランド広告、Web広告、そして特に力を入れているコンテンツマーケティングを通じて、トライアル獲得までを担当します。その後、トライアル中のお客様の担当をインナーセールスチーム(Strategic Growth Group)が引き継ぎ、契約まで丁寧にサポートする体制を構築しています。

 社内的にはこうした考えを「No form、No spam、No cold call」と呼んで共有しています。

 また今年は、より顧客起点のマーケティングを進めるため新たに「Customer Issue(顧客の課題)、Customer Moment(顧客が課題解決を求める瞬間)、Customer Value(顧客にとっての価値)」という3つのキーワードを新たに設定しました。

 これは、トヨクモに関わるWho(誰が)、What(何を)、Why(なぜ)を明確にし、お客様の課題に対して、最適なタイミングで、最適なコンテンツを最適なチャネルで届けようという想いが込められています。

信頼獲得の鍵は「価値あるコンテンツ」AI時代を見据えたトヨクモのコンテンツマーケティング

――御社のCustomer Issue、Customer Moment、Customer Valueを支える主な施策である、コンテンツマーケティングに関しては、普段どのようなことを意識して取り組んでいますか。

坂田:お客様が私たちの情報に触れる時、必ずしもサービスのニーズが明確になっているわけではありません。気になる問題があったり、あるいはすでに対処しなければならない課題に直面していたりして、まずはそれらを解決するため情報を探している場合がほとんどです。

 そのため私たちは、お客様の問題・課題を解決することを第一に考え、わかりやすく、実践的なすぐに業務で使えるようなコンテンツ制作を心がけています。価値ある情報を提供することで、お客様の課題解決をサポートし、信頼関係の構築につなげていきたいと考えています。

トヨクモ株式会社 マーケティング本部 プロモーショングループ 坂田 健太氏
トヨクモ株式会社 マーケティング本部 プロモーショングループ 坂田 健太氏

――課題解決型のコンテンツを届ける際、SEOの視点も大切になってくると思います。SEOに関してはどのような対策を行っていますか。

坂田:多くのオウンドメディアがSEOに注力していると思いますが、私たちはSEOを強く意識していません。それよりも、コンテンツの質を高めることに力を入れています。

 現在はChatGPTをはじめとしたAIツールが登場し、検索行動は変化の時を迎えています。具体的にはAIツールに知りたい内容を文言で打ち込み、その返答で知識を得るようになってきています。

 いわば、AIをプラットフォームとした新たなアルゴリズムが誕生したと言っても過言ではありません。そうであるならば、そのアルゴリズムへの対応が重要です。

 AIツールを活用した検索アルゴリズムにおいては、AIから「このコンテンツは信頼できる」と判断されることが重要となります。そのため、私たちは、現時点から質の高いコンテンツ作りを徹底しています。2024年は、1,100本ものコンテンツを制作・公開しました。

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認知から契約まで、各ファネルで成果を最大化する施策とは?

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この記事の著者

タカハシ コウキ(タカハシ コウキ)

1997年生まれ。2020年に駒沢大学経済学部を卒業。在学中よりインターンなどで記事制作を経験。卒業後、フリーライターとして、インタビューやレポート記事を執筆している。またカメラマンとしても活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/03/26 08:00 https://markezine.jp/article/detail/48620

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