“使いやすさ”と“社会連携”を軸にしたユーザー拡大の試みも
MZ:その他に、マーケティング活動として取り組まれていることはありますか?
小林:“使いやすさ”を通じて、家庭内に紫外線対策の習慣を根付かせていただく取り組みをしています。その1つが次世代ユニバーサル容器「フレッシュパウチ」の導入です。
これは付け替え可能なパウチ型の日やけ止めで、大容量で、最後までムダなく使えるのが特徴です。軽くボタンを押すだけで中身が出てくるので、忙しい朝でも手軽に使えますし、小さなお子様にも使っていただけます。これにより家族全体でシェアできるようになり、家庭内のユーザー拡大が期待できます。
また、社会とのつながりを重視した啓発活動にも取り組んでいます。2025年4月下旬からは、全国の動物園や遊園地、ショッピングモールなどで「太陽の教室」という体験型イベントを開催。日やけ止めの塗りムラをチェックできる独自のUVカメラを用いて、お客様自身が自分の塗り方を確認できるようにしています。合わせて「フレッシュパウチ」を使って正しい塗り方もレクチャーしています。他にも子どもたちのスポーツクラブと連携し、地域に向けた暑熱対策の取り組みもスタートしました。
このように私たちは、商品(「モノ」)を通じた価値提供にとどまらず、体験や地域連携といった「活動ベース」(「コト」)でも、紫外線対策の重要性を広めていきたいと考えています。
ブランドの伸長だけでなく、マーケット全体の活性化も目指す
MZ:最後に今後の展望をお聞かせください。
小林:私たちビオレUVは、2027年までに日本の日やけ止め市場でシェア25%超を目指すという目標を掲げています。その目標達成には、私たち自身が市場を牽引する立場として、紫外線対策の習慣を定着させる提案を続けることが重要だと考えています。特に大切なのは、1年を通して使いやすい日やけ止めを提案することです。
日やけ止めの市場を1月から12月まで週別に見たデータを20年前と現在で比較して見ると、明らかにUVが売れる期間は長くなっていて、着実に年間商材化が進んでいると言えます。ビオレUVは『水肌記憶UV』のように秋冬も使いやすい商品をラインナップしていますので、こうした商材を中心に年間を通じたプロモーションを強化すれば、ビオレUVのシェア向上だけでなく、マーケット全体の活性化にもつながるものと期待しています。
また、地球沸騰化時代とも言われる現在、環境の変化によって汗をかきやすい季節が増えています。その中で、どのような機能や形状ならユーザーが快適に使えるか、どうすれば“もっと塗りたくなる”と感じてもらえるかを常に追求し、技術進化も加味しながら、より高い満足度を届けられる商品開発が必要だと感じています。
