デジタル技術を活用し、人々の健康をトータルでサポートする
──これまで御社の製品は“栄養を摂る”製品がメインであったように思いますが、“栄養状態を測る”「Vivoo」という新サービスを展開するに至った背景には、どのような狙いがあるのでしょうか?
ヘルスケア分野におけるデジタル技術の活用が急速に進む中、大塚製薬においてもデジタル技術などを用いた新たな取り組みを行っています。人の健康を身体全体で考えるトータルヘルスケアカンパニーとして、これまで栄養製品の開発・提供や健康情報の発信などを行ってきましたが、それらの活動を通して、自身の栄養状態をより手軽に知ることができれば、より健康的な生活を手に入れていただけるのではないかと考えました。
自身の栄養状態を測定しモニタリングできるサービスを検討した結果、Vivooを日本向けに展開させていただくこととなりました。生活習慣を見つめ直すきっかけとなる本サービスを提供することで、人々の健康をサポートし、ウェルビーイングな社会の実現を目指したいと考えています。
──“自分にどんな栄養が足りていないか”がわかれば、普段の食事面での調整だけでなく、栄養補助食品やサプリメントもより適切に選ぶことができそうですね。日本市場では、どのようなユーザー層や使われ方を想定されていますか?
健康や美容を意識されている方、大切なイベントを控えている方、日々のパフォーマンスを意識して過ごされている方、忙しく過ごされている方など様々な方にご活用いただけると考えています。
──日本市場に向けて展開する際に意識されたポイントなどはありますか?
日本版Vivooを展開するにあたって意識したのは、栄養状態の確認だけではなく、“行動変容”につなげられるようにすることです。そのために、日本版ユーザー(男性・女性)の平均スコアが表示されるように機能を追加しています。
──最後に展望をお聞かせください。
Vivooは定期的な測定で日々の栄養状態の推移を可視化することができます。サービスの展開によって栄養管理をもっと身近なものにしていくことで、人々の健康に貢献していきたいと思っております。
大塚製薬が目指す、“ウェルビーイングな未来”
ヘルスケア市場への注目が高まる中、大塚製薬では、技術革新や生活者インサイトの多様化、サイエンスの進展、さらにはヘルスデータの蓄積といった変化が、同領域における大きな変革をもたらすと捉えている。同社はこれまでもトータルヘルスケアカンパニーとして、技術革新を独自の視点で捉えながら製品やサービスの提供を進めてきた。今後も急速に変化する社会において、潜在的な需要を見極め、独自の発想とアプローチで人々の健康に貢献していく考えだ。
また、大塚製薬が掲げる中長期的なビジョンの中核には、「世界の人々の健康への貢献」がある。個々の健康課題やニーズを解決するだけでなく、その人の持つ可能性が最大限に発揮されるよう寄り添い、サポートすることを目指している。
このビジョンの実現に向けて、同社では引き続き科学的根拠に基づいた革新的な製品やサービスの開発を進めると同時に、自治体や企業、団体との連携による地域密着型の取り組みを強化していくという。たとえば、現在では47都道府県をはじめとする、全国800以上の自治体と健康に関する包括的な連携協定を締結し、人々の身体的・精神的・社会的健康、すなわちウェルビーイングの実現に取り組んでいる。
同社の親会社である大塚ホールディングスが策定した「第4次中期経営計画」では、2035年に向けた重点課題として「地球環境」「女性の健康」「少子高齢社会」の3つを掲げている。今後も、大塚製薬はトータルヘルスケアの視点から、これらの社会課題に対して予防・健康増進・診断・治療といった従来の枠にとらわれない「新しい健康価値」の創出にも取り組んでいく方針だ。