既存プラットフォームへの導入も 取引先とのWin-Winな関係の作り方
──実際には、どのような企業が「DGFT請求書カード払い」を利用しているのですか。
原田(デジタルガレージ) たとえば、グループ会社の株式会社カカクコムが運営している飲食店向け発注業務効率化サービスの「食べログ仕入」と連携しています。
同サービスは、受発注機能を提供し、卸企業と「食べログ」に掲載されている飲食店をつないでいます。ここに「DGFT請求書カード払い」を導入することで、卸企業が発行した請求書に対して、飲食店オーナーがクレジットカードでの支払いも選択可能となりました。
飲食店も、季節やイベントによって需要の波が発生しますよね。タイミングによっては、仕入れ費用や人件費が大幅にかかる時期もあります。それを調整するために、「DGFT請求書カード払い」が役立っています。
ほかにも、TIS株式会社が地方銀行向けに展開しているDXプラットフォーム「DX Connect Gate」に採用されています。「DGFT請求書カード払い」をベースに、専用の仕組みを構築した事例です。このプロジェクトの第1弾として、2025年6月より広島銀行が地元企業向けDXデジタルソリューション「〈ひろぎん〉Smart Fine」の提供を開始しました。
同ソリューションでは、地元企業が請求書のデジタル化や、多様な決済手段の選択を行えます。「DGFT請求書カード払い」によって、各企業はクレジットカード決済を選べるだけでなく、請求書データの一元管理も可能となりました。支払漏れの防止といった面でも、メリットがあります。
本谷(デジタルコマース総合研究所) 前述の法人企業統計調査のデータから計算したところ、日本市場の2023年度の売上高営業利益率は約4.6%です。小売業だけで見ると、約2.6%。米国と比べると、日本では企業の売上高営業利益率が低いといえます。これが、新しい仕組みの導入や施策の実行を妨げる要因となっているのでしょう。それでも、「DGFT請求書カード払い」といったサービスを積極的に活用すれば、財務状況の立て直しや整備につながるはずです。
──利便性だけでなく、安定的に、そして継続的に事業を成長させるためにも、重要な仕組みなのですね。今後、「DGFT請求書カード払い」は、どのように進化していくのでしょうか。
原田(デジタルガレージ) どの企業も、“本業”でどう売上成長するかにフォーカスしたいと考えています。請求書処理などに頭を悩ませたくはないはずです。手段が銀行振込なのかクレジットカード払いなのかを意識せずに、スムーズに処理されている状態が理想でしょう。
だからこそ、悩まずにクレジットカードでの支払いを選択できる環境を、当社が用意していきたいです。そのためには、同サービスをより上流のシステムであるERPや経理システムに組み込むのも重要だといえます。TIS・広島銀行との取り組みや大手ERPベンダーなどとの連携も、その施策の一つです。
また、将来的には、請求書を発行する側が抱える「相手企業にどの程度販売しても問題ないのか」といった疑問を、過去の取引履歴から解消できる仕組みも提供したいと考えています。銀行決済自体を次世代型に進化させられるDX支援ツールとなるような仕掛けも検討し、売り手と買い手、どちらにとってもメリットのあるサービスにしたいです。

本谷(デジタルコマース総合研究所) 私も情報を発信する立場として、BtoB取引におけるデジタル化の重要性を、データとともに引き続き伝えていきます。
原田(デジタルガレージ) そもそも、受け取った請求書に対してクレジットカード払いができると知らない方も多くいます。支払いをもっと効率化できる。しかも、売り手にとっては、クレジットカード決済の仕組みそのものを導入せずとも、クレジットカード決済のニーズに対応できる。それを理解してもらうために、当社も情報を届けていきたいです。
簡単便利な「DGFT請求書カード払い」で効率化と電帳法対応
取引先から受領した通常の銀行振込の請求書を簡単にクレジットカード支払いにできるサービス。AI-OCRで請求書は自動で取り込みされ、電帳法対応の「受取請求書管理機能」も搭載。詳細は「DGFT請求書カード払い」公式サイトからお問い合わせください。