低コストだからこそ、複数のタレント起用も可能に
ワイン製造・販売を行うメルシャンの事例においては、ブランドイメージ向上につながるプロモーションを模索していたものの、ロングテール型のワインでは、まとまったマーケティング費用を投入するのが難しい状況であった。キリングループでのタレント起用効果を把握していた中で、どうしたらタレント起用できるかと考え辿り着いた先が「Skettt」だった。
そこで、2名のタレント素材を活用する戦略を取った。1人目は優木まおみ氏で、「カジュアルかつナチュラルにくつろぎながら楽しめる」という商品イメージとの合致と、SNSフォロワーの多さが選定理由だ。また2人目の押切もえ氏はワインエキスパートを取得しており、世間のワイン好きなイメージと合致していること、結婚・出産経験というターゲットに適した背景を持っていることが決め手となった。

「このような複数名の起用が可能なのは、費用が安価だからこそ。同時に複数のタレントで検証することで、時期や商品といった様々な変数の中で、何が効果的で何が課題だったのかを明確に把握できるのです」(長尾氏)
結果として、優木氏をきっかけとする購入が30%にのぼるなどの成果を実現。これを受け、素材だけでなくオリジナルの撮影や別ブランドへのタレント追加など、より深い取り組みへと発展している。
キャラクターも、インフルエンサーも。IP活用をよりライトに
長尾氏は現状の「Skettt」の業界内の立ち位置について、以下のように表現した。
「単なる素材のパーツ売りではなく、IPの活用のソリューションを包括的に提供しています」(長尾氏)
さらにWunderbarは今後の展開として、タレント以外のIPカテゴリーへの拡張を進めている。2025年8月からは「Skettt Influencer」の提供を開始し、30万フォロワー以上のインフルエンサーの素材活用が可能になった。
「インフルエンサー素材へのお問い合わせは、日用品やアパレル、美容関連の案件を多くいただいています。特に『Skettt Influencer』では、これまでタレント起用をしたことがない中小企業様からの問い合わせが3~4割を占めており、従来の相場よりも格安で素材活用できることを評価いただいています」(長尾氏)
最終的な目標として長尾氏が掲げるのは、「IP活用を科学する」こと。膨大なデータを活用し、誰を・どのタイミングで・どのような企画で活用すべきかを、AIで提案する仕組みの構築を進めている。目指すのは、広告代理店に相談する前に、担当者レベルで「Skettt」のAIとコミュニケーションを取りながら最適な企画にたどりつける世界観だ。
最後に長尾氏は、改めてIP活用の魅力と「Skettt」としての意気込みを語り、セッションを締めくくった。
「広告領域でIP活用がライトにできるようになるだけで、今までとまったく違う検証が可能となります。お客様の広告運用を成功に導くために、プラットフォームをより磨き上げていきたいです」(長尾氏)

