
直近のF1イベントをめぐる数字が、かつてない熱気を物語っている。2025年シーズン前半14戦での観客動員は390万人に達し、史上最高ペースを更新した。オーストラリアGPには週末だけで46万5千人が押し寄せ、開催都市メルボルンの過去最大規模のスポーツイベントとなった。世界全体では8億2,600万人がF1をフォローしており、前年から9,000万人増加という驚異的な伸びを示している。こうした世界的な潮流は、筆者自身の身の回りの変化とも呼応している。これまでF1とは縁がなかった20代や30代の女性が、ドライバーの話題やレースのハイライトを日常的に発信するようになっている。SNSのタイムラインに突然「F1女子」が現れ、レース週末ごとに熱く盛り上がる姿を見て、時代が変わったことを実感せざるを得ない。そして来年は、サッカー・ワールドカップという巨大イベントが控えている。サッカーと並ぶもう一つのグローバルスポーツが、なぜこのタイミングで再び脚光を浴びているのか。F1人気の再燃は偶然ではなく、数字と文化的背景が示す必然である。本稿では、過去の低迷と現在の盛り上がりを対比しながら、その必然性を明らかにしていきたい。
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岡 徳之(オカ ノリユキ)
編集者・ライター。東京、シンガポール、オランダの3拠点で編集プロダクション「Livit」を運営。各国のライター、カメラマンと連携し、海外のビジネス・テクノロジー・マーケティング情報を日本の読者に届ける。企業のオウンドメディアの企画・運営にも携わる。
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