データベース資産が今後のキモに!
価格.comというサービスは今後どのような方向に向けて収益を加速していくのだろうか?
純広収益モデルから4つの収益モデルへとその収益源を多角化し、年を追う毎に成長を遂げているわけだが、今後の展開はどうなるのか。あくまで私見ではあるが、“データベースマーケティング戦略”…このキーワードがカカクコム社の将来を左右することになるのではないかと考えている。
実際に、この将来展望・戦略に関しては前記した同社広報室長の甲斐氏が1つのヒントをくれた。
甲斐氏曰く、「サイト内動向などの定量データとクチコミ等の定性データを活用することが次なる発展に繋がる」とのことである。
この言葉から考えられることは、つまるところ「PVの推移、価格推移、比較検討行動のログなど定量情報を活用しつつ、蓄積されたユーザーからのクチコミも定性的に活用・展開していく…」ということなのではないかと思う。
また、それに伴い「テキストマイニング」「データマイニング」といったもの(マイニングとは、“採掘”の意)も今後重要な戦略になっていくのではないかと考えられる。これは、如何にして対象者に対して、膨大なデータベースの中から有用なデータを整形・加工して提供できるか…ということである。
もし、このマイニングが成功すれば、そのデータを求める対象者はメーカーのみならず、メーカーの商品を仕入れて販売している事業者にも広がっていくはずである。なぜなら、販売店(メーカーのプロダクトを販売する各事業者)にとっても、データベースに基づくマーケティングは販売戦略上重要な情報となるからだ。
しかしながら、販売店・メーカー各者においてはCRM(Customer Relationship Management)とのリレーションがあってこそのデータベース活用であるわけだが、現状においてはメーカーが独自の情報を発信する『CRMbase』というサービスが価格.comと同時に展開されており、このサービスによって価格.comという名の“舞台”に、ユーザー・メーカー・事業者の3プレイヤーが 良好な関係を築いていける素地が整っていると考えられることもあり、今後も注目していきたい。
最後に、お忙しい中取材を引き受けて下さったカカクコム経営企画部広報室長の甲斐様には、この場をかりてお礼申し上げる次第です。