上場を実現!驚異の成長率を支えるものは何なのか?
「毎日の料理を楽しみにすることで心からの笑顔を増やす」を企業理念にもつクックパッド株式会社が上場を果たした。女性向け…特に、主婦層を狙ったレシピ投稿・共有サービス『クックパッド』『モバれぴ』が大きな反響を呼び、驚異的なユーザー増を達成できたことが、その背景にあることは想像に難くない。
クックパッド株式会社が上場に際して発行した資料『新株式発行並びに株式売出届出目論見書』によれば、クックパッドの売上高は次のようになっている。
第12期(平成21年1月期)については、上場が期中であるため第3四半期までの累計でしか数字が出ていないが、売上高は約7億3千万円となっており、対前年比での成長率は当該時点で108%を超えている。
それよりも見るべきところは、前期・前々期の実績だろう。第10期(平成19年4月期)については売上高約3億1万円、第11期(平成20年4月期)については約6億7千万円となっており、それぞれの対前年比成長率は255%、218%という驚異的な数字を叩き出している。
この成長率を見る限りでは、第3四半期までしか数字がでていない第12期も130%から200%の間での成長率を期待することができ、予想売上高は約8億8千万円(対前年比130%成長)~約13億5千万円(対前年比200%成長)の間で推移するものと思われる。
それにしても、これだけの成長率を誇れる要因は何なのだろうか?
クックパッドは「レシピの共有・投稿」に特化したウェブサービスである。つまり、このサービスを下支えしているものはサービスを利用するユーザーにほかならない。ユーザー数は、平成21年5月末時点で681万人であると公開されている。前年同月比でみた場合の増加率は152.5%となっており、たった1年でこれほどの成長をみせているのは驚異的である。
しかしながら、ユーザー増=売上増というのは短絡的な見方であり、あくまでもユーザーの増加による売上増は一因である。そこで、ほかの要因を探る意味でも、セグメント別での売上構成、ビジネスモデルを見ていきたいと思う。